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2018.08.06

名古屋の全勝優勝を打ち砕いたFリーグ選抜。「自分次第」の環境に飛び込んだ瀧澤太将の覚悟とは。

PHOTO BY軍記ひろし

Fリーグ開幕から7節で合計45ゴールを奪い、圧倒的な実力をもって7連勝中だった名古屋オーシャンズから、今シーズン初めて勝ち点を奪ったのはなんと、平均年齢21歳の選手で構成されたFリーグ選抜だった。

共に、愛知県の武田テバ・オーシャンアリーナを本拠地とする両チームの対決は、前半のうちに名古屋が2点を挙げたが、後半はFリーグ選抜が快進撃を見せて2-2のドロー。いわゆる、勢いに乗って序盤のリードを守り抜く“先行逃げ切り”ではなく、最強の名古屋を相手に“追い込んだ”ところにも強さを感じる。

失うものがないので何点取られても食らいついた

「本当に大きい1点だったと思います。2-0は(勝っているチームからすると)危険なスコアと言われている中で、運がこっちに流れてきたようなゴールでした」(Fリーグ選抜・瀧澤太将)

後半の開始早々、瀧澤が放ったシュートは笠井大輝に当たって軌道が変わってゴールへ。瀧澤は名古屋サテライト、笠井は名古屋のトップチームが所属元だけに、先輩への“恩返しゴール”は、若手チームにとっても大きな価値を持つ1点だったことは間違いない。瀧澤はさらにこう振り返る。

「失うものがないので、何点取られても食らいついていく『挑戦者のメンタリティ』をみんなが持っています。1点取られても想定の範囲内というか、そこまで(精神的な)ダメージはなかったですね」

Fリーグ選抜は、Fリーグやその育成組織に所属しながら出番の少なかった選手など、今後のフットサル界を背負っていくための“育成&強化型”のチーム。毎日のトレーニングやフットサルに専念できる環境はプロのようである一方で、彼らに“結果”を期待する声は、開幕前にはほとんどなかった。

だからこそ、選手たちは「やってやろう」とハングリー精神を強めていった。そして今、「Fリーグ選抜が名古屋と引き分け!」というニュースは衝撃を持って業界内に伝わると共に、開幕戦でシュライカー大阪に2-6で大敗したことを考えても、恐るべきスピードで成長を遂げていることを、世間に知らしめたのだ。

昨シーズン、開幕前に負傷離脱してリハビリを兼ねて名古屋サテライトでプレーしていた名古屋のぺピータは「1試合ごとにどんどん彼らの成長を感じています」と賞賛する。それでも、瀧澤をはじめとする選手たちは、現状に満足することはない。それどころか、貪欲に上を目指すことだけを考えている。

「いつでも自主練をできる状態ですから、“得るものがある”というより自分たちで“得られる状態がある”だけ。あとは自分次第という感じです。恵まれた環境があるから成長するというよりも、それをプラスにするのは自分たち次第なので、そこで自主練だったり、毎日の練習だったりをものにできるかという感じです」

「自分次第」という言葉に、名古屋サテライトでプレーし続けて特別指定選手としてトップチームに登録される道ではなく、自分が主体となってプレーができる環境へ飛び込んだ瀧澤の覚悟が詰まっている。

「もちろんトップチームに上がって、そこで出場し続けることの先にある日本代表を目指しています。でもまだ若いからこそ、挑戦しようと思ってFリーグ選抜に入りました」

今はまだ、持ち味のドリブルが通用している。しかし、そこからシュートに持ち込む形は、名古屋サテライトで地域リーグを戦っていた時のようには作れていない。この先、相手にさらに警戒されるようになれば、ドリブルさえ満足にやらせてもらえないかもしれない。ただそれさえも、覚悟の上だ。

「まずはトップでプレーしたい」という瀧澤のチャレンジは、ここからが本当の戦いを迎える──。

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