更新日時:2021.11.24
木暮賢一郎からバトンを受け継いだ須賀雄大監督「みんなで日本女子代表をつくっていきたい」|就任会見全文
PHOTO BYJFA、高橋学
日本サッカー協会(JFA)は11月22日、フットサル日本女子代表新監督に須賀雄大氏が就任することを発表した。
須賀監督は、フウガドールすみだの前身であるBOTSWANA FC MEGURO時代から指導者として活躍してきた。2009年には関東リーグ(当時2部相当)に所属しながらも、全日本選手権のタイトルを獲得。Fリーグ所属チームに次々と勝利し、決勝では名古屋オージャンズに勝利するなど、旋風を巻き起こした。
今回、自身のキャリアで初となる女子チームの指揮官を務めることになった須賀監督が、就任会見で代表チームを率いる想いについて語った。
アジア制覇と女子の普及が大きな目標
須賀雄大(日本女子代表)
まずは、このような重要な責務に任命していただいたことに感謝します。そしてここまで、私を指導者として育ててくれ、一緒に戦ってくれた選手たち、対戦相手、スタッフ、関係者の皆様にも、この場を借りて感謝をお伝えしたいと思います。
私は、女子チームの監督をした経験がないですが、女子フットサルをここまで成長させていただいた方々へのリスペクトを持って携わりたいという思いです。そのことを自分の行動で示していきたいですし、これからたくさんの方と話をして、意見交換して、みんなで女子日本代表をつくっていきたいと思っています。強化の面では、AFCでの優勝が大きな目標になります。そのために女子Fリーグの強化も重要なポイントです。
そのために、自分が15年間監督してきた経験を生かせたらと思っています。北澤委員長がお話ししていたように、強化だけではなく、普及、育成、指導者の育成の力になれるところもあると感じています。自分に与えられた任務を、全力で全うしたいというモチベーションにあふれています。これからのさまざまな活動でそれを示していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
──オファーを受けて、どのような気持ちでしたか?
非常に誇らしい思いでした。女子フットサルがどんなものであるかは、代表キャンプも見ているなかで、非常に戦略的・戦術的でもあり、インテリジェンスがあり、体もしっかり鍛えていて、素晴らしい選手がいる印象だったのでワクワクする思いが強かったです。
──これまで女子チームの監督経験がないなかで、どのような印象を持っていますか?
私は、今までフウガドールすみだの立ち上げから関わってきていますから、女子チームも見てきていますし、その環境は理解しています。スポットでの指導経験だけで継続的な指導はないですが、この10年間で進化、発展している印象です。最近もそうですし、昨シーズンの首位決戦も会場で見て、木暮さんのトレーニングキャンプも幕張で拝見したなかで、レベルの高い選手、戦術理解度の高い選手がたくさんいる印象です。
──強化だけではなく普及も任されることで、期待値の大きさもうかがえます。ピッチ外でできそうなことのイメージはありますか?
具体的な策よりもまず言えるのは、ただ勝てばいい、強化すればいいということではないということです。フットサルをプレーしている女子選手、これからやりたいと思っている選手に対して、共感してもらえるような勝ち方、プレーモデルを見せていくことが自分の役割だと思っていますし、そんな存在になることが大事だと思います。普及は、これから経験を重ねるなかで、たくさんのアイデアを具体的に考えていきたいと思います。
──女子代表を率いてきた木暮監督とも引き継ぎをしていると思いますが、これまで女子チームを率いた経験がないなかで、どんなチームをつくっていきたいですか?
すでに木暮監督とはたくさんのことを話しています。A代表のコーチの立場でもそうですし、女子前監督として引き継ぎの話もしています。自分が求めるものは、プレーをするのは選手ですから、選手の個性をしっかり生かすことがどこまでも重要だということです。
私がやりたいフットサルのイメージはありつつ、一緒にトレーニングをすることで、どんな選手、マインドかを自分が理解する時間も必要です。型にはめるだけではなく、選手が本来持っている個性をつなぎ合わせ、チームとして生かしていく。そういうチームづくりが自分の武器だとも思っています。
戦い方としては、ゲームを支配することがテーマになります。それは、単純にポゼッションすることではなく、フットサルの4局面、攻撃、攻撃から守備、守備、守備から攻撃において、トランジションを含め、そのすべてを制していくこと。ボールを持たれていても、粘り強い守備からカウンターの脅威を示すことで、相手が持たされていると感じることや、トランジションの脅威を示すことで、相手が人数をかけられないと感じることなど、選手に落とし込んでプレーしてもらいたいと考えています。
──これまで前身チームを含めてずっとすみだで指揮を執ってきました。もともと日本代表で指導したいという思いはあったのでしょうか?また、昨シーズン限りで退任された後はどのように過ごしてきたのでしょうか?
すみだを離れる決断をしたのも、一人の指導者として自分の可能性にかけたいという強い思いがありました。先のビジョンが決定していたわけではなく、決断が重要だと感じていました。代表ウェアを着てコーチをしたいとは、指導者の誰もが思っていると思いますが、それをしたいわけではなく、より良い指導者になりたいという思いが根底にありました。
自分は15年間のうち、Fリーグで7年指揮を執りましたが、非常に濃い時間でした。監督業、普及、地元に愛されるクラブとなれるように、いろんなトライをした時間でした。その間に、犠牲にしたものもあります。特に家族との時間が取れていなかったこともあり、まずはそこを大事にしました。
そして、積み重ねてきた活動をフィードバックする時間を取りました。どういった効果があったかを検証して、次に進むために振り返る時間でした。さまざまな指導者仲間と会って、指導者に触れ、自分がやりたいフットサルを整理しました。W杯も外から見ましたし、中継の解説などもするなかで違う視点でフットサルをとらえるなど、自分にとって大きな8カ月となりました。
──フットサルファン、サポーターへのメッセージをお願いします。
男女ともに、日本代表が「自分たちの代表」だと思ってもらえるチームになっていく必要があると思っています。魅力があり、共感でき、憧れを抱いてもらえるようなチームにしたいです。
A代表のコーチとしては、自分の役割を全力で行い、さらにそれ以上の仕事で応えていけるように頑張ります。女子は、代表チームだけでがいいということではなく、普及も考え、女子フットサル全体が上がっていくお手伝いができるように。そんなマインドを持ってやっていきたいと思っています。
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