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作成日時:2023.05.23
更新日時:2023.05.23

【試合後会見|決勝】浦安・小宮山友祐が痛感した王者に“勝ったこと”“負けたこと”「セットプレーからの2失点がもったいない。でも、あれができるから名古屋」|オーシャンカップ2023

PHOTO BY勝又寛晃

21日、Fリーグオーシャンカップ2023の決勝戦が行われた。

対戦カードは名古屋オーシャンズと、バルドラール浦安。浦安にとっては、本来昨シーズンのプレーオフで戦いたかったFの王者を相手にした、3ヶ月遅れの“決戦”となった。

試合開始から激しい攻防が続くなか、浦安は前線からのプレスとタイトな守備で名古屋の攻撃陣を抑え込む。しかし第1ピリオド18分に失点し、0-1で第1ピリオドを終え、続く第2ピリオドではセットプレーから失点。27分に1点を返すも、清水和也と金澤空にも移籍後ゴールを決められ、最後はパワープレー返しで失点しスコアは2-5に。スコア差こそ開いたものの、育成組織出身の若手選手を中心に果敢に戦い抜いた。

決戦を終え、小宮山友祐監督とキャプテン石田健太郎が記者会見に出席した。

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チャレンジャー精神は、最初から最後まで存分に発揮できた

●小宮山友祐監督|バルドラール浦安

──今日の試合を振り返って。

約1週間、みなさんのお力もあり、我々にとっていい大会になりましたが、優勝できなくて残念です。前半から激しいプレスをして、浦安らしいフットサルができました。選手は勇敢に戦ってくれましたし、決定機もありました。もう少しのところと、まだまだ足りないところ、勝てていたところがある。

シーズンが始まってすぐのオーシャンカップで今回のようなパフォーマンスを発揮できて監督としてはうれしいです。ただタイトルを目標にしていたので非常に悔しい。

──名古屋は準決勝も同じように後半にギアを上げた。浦安も第1ピリオドはいい戦いをしましたけど、第2ピリオドの立ち上がりに失点してしまいました。昨日の会見では、1点がなんだという気持ちが大事だと話していました。そこはいかがですか?

失点はコーナーキックからですけど、単純に(ゴールを決めた)アンドレシートがデカかった。足を伸ばされ、圧力で崩されたというか。セットプレーからの2失点はもったいなかったですね。でも、あれができるから名古屋。1点がなんだというのは、選手も激しくプレスできていましたし、ライン間を使えていました。攻撃のスペースからアタックすることは最後までやってくれました。パワープレーでもそうでした。石田も30分以上出ていますし、めちゃくちゃきつかったと思いますけど、彼の1プレー1プレーが奮い立たせてくれる。勝者のメンタリティというか、チャレンジャー精神は、最初から最後まで存分に発揮できた。それでも、名古屋の壁は高かった。

──加藤竜馬とディドゥダ以外は2017年の決勝を知りません。今大会で何を学んだ?

Fリーグのタイトルを獲得するには、名古屋を越えないといけない。初めて決勝を戦う選手も多く、そもそも名古屋のトップと初めて戦う選手もいたので、彼らがなにを感じたか。フィジカルも戦術も、メンタルもすべて。一個一個のプレー、ディフェスの距離、手の使い方、アジリティ、スピード。あらゆるすべてのレベルが高かった。

どこが戦えなかったかと、僕はずっと感じていることがあります。その足りないところをどう伸ばしていくかがポイント。セットプレーから2失点、パワープレー返しから1点。これは監督の責任です。選手は試合後、(準優勝には満足できず)納得のいかない表情でした。シーズンのスタートから短い期間でよくやってくれたと思っています。

──ディドゥダ選手は、来日が遅れたようですが、ピッチに立ちました。

合流も遅れていて、チーム状況を考えると、彼がいなくても準決勝までいけました。ただし来週からリーグが始まりますから、Fリーグの強度を感じてもらいたい、と。

彼もブラジルの助っ人ですから、アンドレシート、ダルラン、清水和也などを抑える必要があります。石田と田中(晃輝)のフィクソもよくやってくれましたけど、(屈強なピヴォに)背中をつけられたときに見られる選手が他にいるのか、と。

和也には石田、アンドレシートにはディドゥダ。勝つつもりでしたから。ディドゥダには惜しいシュートもあったので、そういうところは必要なピースだったと思う。

──本石猛裕や吉田圭吾が復帰してくることで、点を取るところも上向く。

そうですね。彼らがほんとど参加していないなかでここまで来たのは大きいです。彼らは素晴らしい選手だし、その力が必要なので。ただし、今日戦った選手、メンバーも素晴らしい選手なので。

──「もう少しだった」ところと「まだまだ足りない」ところとは?

単純に、まだまだ足りないのは「体のサイズ」。大きいし、分厚いし、伸びるリーチが違う。ラインの間を通す距離も狭くなる。そこは2失点目、3失点目がそう。

フィジカルで、インサイドでガンガン来られて決められた。ああいう強さ。うちも筋トレをしたり、フィジカルの強さを求めたりしているが、それは短期案で作れるものではない。名古屋の選手の腰の強さ、体幹の強さを見ると、もっとやらないといけない。コンタクトで吹っ飛ばされるのはうちの選手ですから。ボールへの強さ、ステッピング、ディフェンス、撤退スピードはうちが速い。トランディションや飛び出すスピードは彼らに勝っていた。でもフットサルは、走れればいいというスポーツではない。ボールと一緒に、どこに走るか。スピードでは通用しても“ボールと一緒に”が大切。そして適材適所。今は失わないところ、今は決めるところ、そういう見極められることが一番大きな差だと感じています。

僕が試合を決められるように

●石田健太郎|バルドラール浦安

──今日の試合を振り返って。

自分たちにとって、本当に大事な試合でした。決勝戦を初めて戦う選手も多いなか、試合の入りは良かった。どんな試合でもそうですけど、決めるところを決められていたらまた違ったと思います。後半最初の2点目、3点目がもったいなかった。立川との試合もそうですけど、攻撃がうまくいかず、守備に回る時に押し返す力がまだ足りないので、そこは、リーグが始まるのでもっと強化していかないといけない部分だと感じました。

──名古屋を越えないといけないなか、個人的にレベルアップしたい部分は?

いっぱいあるのですが、名古屋には代表で一緒にやっている選手も多いですが、味方として感じることと、敵として感じることに違いがあります。フットサルは僕1人でやるスポーツではなく、名古屋に代表クラスの選手がたくさんいるように、浦安にもうまい選手、戦える選手がたくさんいます。そういう味方の良さを引き出せるようにしたい。それと、僕が試合を決められるようにならないと。守備も、ゴールもまだまだ足りない。

ただ一番は、ゴールを決めるところですね。そこを伸ばしていかないといけない。

──日本代表でも一緒にやっている金澤選手は、名古屋に移ったばかりですが、これまで以上に脅威に感じることはありましたか?

いや、ないです(笑)。特には。もともとすごい選手ですし、すごい選手しか名古屋にはいないと思うので、その中の一員になっていることがすごい。僕たちも負けないように、勝つためにやらないといけない。すごい選手ですし、代表ではチームメートですが、リーグ戦では絶対に負けられない。浦安にもいい選手がいるので見てほしいですね。

──ダルランに入れ替わられたシーンは連戦の疲れですか?

いえ、普通に体が強かったので……。負けないようにしたいです。

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