更新日時:2023.05.30
【第1節|記者会見/町田vs横浜】ホームで2年連続“開幕4点差負け”にも前を向く町田・甲斐修侍監督「たとえ負けても、また見に行きたいと思ってもらえるようなクラブになる」
PHOTO BY高橋学
27日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第1節、ペスカドーラ町田vsY.S.C.C.横浜の一戦が行われた。
立ち上がりから激しいプレスを仕掛ける町田だが、横浜のパス回しに苦戦し思うようにボールを奪えない時間帯が続く。そんななか、第1ピリオドの7分にオウンゴールから先制点を許すと、ファー詰めの形から続けて2失点し0-3で試合を折り返す。
続く第2ピリオドも決定機を相手のゴレイロだけはでなくポストにも阻まれネットを揺らすことはできず。さらに0-5と突き放される。
最後はパワープレーで野村啓介が意地の1点を返し完封負けは防いだものの、リーグ戦初戦は2年連続での黒星スタートとなった。
試合を終え、甲斐修侍監督とキャプテンの伊藤圭汰が記者会見に出席した。
「『不運だった』ということでは片付けらない」
●甲斐修侍監督|ペスカドーラ町田
──試合を振り返って。
お疲れ様です。結果として負けてしまいました。リーグ戦なので次に向けて考えながらトレーニングをして繋げていきます。
──チームは引退選手を除いた全員と契約を更新し、昨年からの積み上げを発揮しやすいというメリットもある一方、他チームに対策を取られやすいということもあると思います。そのなかでこの1年をどう戦っていきたいかについて、少し教えていただけますでしょうか。
そうですね。メンバーが変わっていない強みもありますし、去年の構成ではないパターンもあって、そういう意味ではメリットもデメリットもあります。
今日の試合は非常に難しい試合でした。決める可能性があるところを決められないということは昨シーズンに続く課題ですが、相手のワンチャンスやリアクションへの対応で、失点に繋がったところが多かったかなと。自分たちの状態は悪くなかったにもかかわらず、ゲームをコントロールできなかったことは非常に悔やまれます。
ただ以前も同じ話をしましたが、勝ち負けがつく世界で負けたことは受け止めますが、リーグ戦なので今後の試合でまた修正していけると思っています。選手たちがまたしっかり練習から取り組んで、次以降のゲームでいいパフォーマンスを見せてくれる期待感はあります。
──今日はどのような狙いを持って試合に臨みましたか?
去年の開幕戦は3-7で大敗していたので、この日を迎えるまでに去年の話もたくさんして、準備期間には名古屋と2試合、長野と1試合、あわせてカップ戦で2試合でもいろいろと話をしました。今シーズンは先程も話に出たとおり、積み上げという意味でも「各ポジションの選手が去年を上回るパフォーマンスを出す」ことを意識してやってきました。練習中もそういった局面を生み出す機会も増えてきたので、個人的にもすごく楽しみにしてこの試合に挑みましたが、結果こういうかたちになってしまいました。
終わったばかりでゲームも改めて見返していないので正確なことはわからないですが、どんなに良い準備をしても、気持ちを込めたつもりでも、ゲームをコントロールできない時間帯を生んでしまうことは「不運だった」では片付けらない原因があると思います。試合のなかでのアンラッキーな部分も含めて管理できるような戦い方ができるように、緊張感を持って練習から取り組んでいきたいです。
──今日の試合は先発ゴレイロに土岡選手を起用し、第2ピリオドからジオヴァンニ選手と交代しました。土岡選手はリーグ戦の先発は久しぶりでしたが、彼に期待することや評価を教えてください。
土岡についてはジオヴァンニが怪我で不在の間ずっと先発で出てもらい、カップ戦でも非常に安定感がありました。去年もたくさん試合に出ていたわけではないですが頼れる部分も増えてきて、ジオヴァンニもある程度復帰しているなかでしたが、今日は土岡を先発で起用することにしました。
前半も決して悪くはなかったですが本人もまだ若く、開幕戦の雰囲気もあって、ここまでやれていた安定感という点では少し浮き足立っていた局面もいくつかあったかなと。それもまた今後の課題として成長してくれると思います。
後半にジオヴァンニに変えた理由としては、ある程度攻撃に優位性を持つ時間をつくって追いあげないといけない点差だったので、残りの8分ぐらいまでは得点を意識する時間という想定でのことです。残りの8分からは純粋なパワープレーでいくしかないと、ゲームを進めていました。
──町田は昔からお客さんがたくさん入る印象があります。開幕戦に向けても施策を打って、今日は1,500人という観客が集まり、声出しが解禁になって子どもたちの声が響いて、素晴らしい空間だなと思います。改めてこの町田のアリーナの雰囲気はどんなふうに感じていますか?
観客がいない時代を知っている僕としては、プレーヤーの時期もたくさんの方に足を運んでもらえてすごく力をもらっていましたし、自分が引退してからもファン・サポーターの方が、勝っても負けても応援し続けてくれて本当に感謝の気持ちしかないです。試合だけではなく、普段から多くの方に力をいただき選手たちも練習にも打ち込むことができています。
選手や僕らスタッフとしては、これだけ多くの方に応援していただいているなかで結果を出せなかったことは、非常に悔しい。ですが、どんなにいい状態でどんなにいいゲームをしても、負ける時もあります。見に来てくださった方が、たとえ負けてしまったゲームであっても「また見に行きたいな」と思ってもらえるような、選手たちのスピリットや取り組みを今後も継続し、伝えていけるようなクラブになりたいです。
「前半の3失点は防がなければいけなかった」
●伊藤圭汰|ペスカドーラ町田
──試合を振り返って。
前半の3失点が試合を難しくしてしまったという感想です。1点、2点なら逆転できる可能性もあったかもしれませんが、失点をどれだけ減らせるかが僕らの課題ですし、得点の部分ももっとこだわっていきたいです。
──昨シーズンとほぼ同じメンバーですが、今できていることと課題について教えてください。
去年からの積み上げという部分では、監督がイメージするフットサルを少しづつ体現できているとは思っています。粘り強く戦って勝つ試合が去年も多かったですが、もっとゴール前で体を張ったり細かい部分をやっていかないと、このリーグでは戦えないと思います。去年と同じく攻撃力が足りず、得点も少ないところは課題だと思うので、今シーズンはさらに攻撃のバリエーションを増やしながら戦っていきたいです。
──相手と戦力自体は大きく変わらなかったとは思いますが、結果としてスコア差が開きました。ピッチのなかで感じた差はありましたか?
そこまでレベルの差を感じた試合ではなかったですが、ゴール前で僕らが守りきれなかったゲームだし、僕らのシュートに対して相手は体を張って守っていました。ゴール前でもっと点を取られないように守備の意識を高めていく必要があります。後半の2点に関しては点を取りにいった結果の失点でしたが、前半3点は防がないといけなかったです。
──改めてこの町田のこのアリーナの雰囲気はどんなふうに感じていますか?
僕が町田に来た時から好きなアリーナで、応援してもらえている実感を持ちながらプレーできています。コロナで無観客の試合も経験して、改めてこれだけのお客さんの前で試合ができることは本当に幸せなことだと感じました。それに対して結果で恩返ししないといけないですし、もっと活躍を見せていきたいです。
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