SAL

MENU

作成日時:2023.06.09
更新日時:2023.07.08

【第2節|記者会見/すみだvs大分】ホーム開幕戦で抜擢した現役高校生・羽生恒平が初ゴール&決勝弾!北隅智宙監督「いろんな人が力を合わせて、彼をこの舞台まで引き上げた」

PHOTO BY高橋学

5日、 Fリーグディビジョン1第2節、フウガドールすみだvsバサジィ大分の一戦が行われた。

開幕戦からメンバーを大きく入れ替えたすみだは、育成組織のすみだファルコンズから2種登録が発表された、高校1年生の羽生恒平が先発に名を連ね、試合の立ち上がりからクワトロのかたちで大分ゴールに迫る。

迎えた3分、左サイドを突破した畠山勇気から折り返したボールを羽生が左足でど真ん中に突き刺し、先制に成功。15歳6カ月29日で羽生が決めたこの得点は、Fリーグ最年少記録となる歴史的なゴールとなり、会場を大いに盛り上げた。

この1点を死守したすみだは1-0で大分に勝利し、今シーズン初めての勝ち点3を掴んだ。

試合後、北隅智宙監督とキャプテン・畠山勇気が記者会見に出席した。

重要なのは、チャンスを与える大きな勇気を持つこと

●北隅智宙監督|フウガドールすみだ

──試合を振り返って。

まずは、自分が監督になってから初めてのホームゲームで選手たちが勝点3を取ってくれたこと、そして月曜日の夜にお客さんが入って応援してくれたことに感謝しています。そしてもうひとつのトピックとしては、やはり15歳の(羽生)恒平がゲームを決めるようなスコアを動かしてくれたことですね。正直ここまで仕事をしてくれるとは思いませんでしたが、自分にとってすばらしい1日になったなと感じています。

ハーフタイムと試合後のミーティングでも選手に話をしましたが、自分たちがどこを目指してるのかを考えた時に、この場所、あのタイミングでスコアを動かすことができなかったら、自分たちはいつまでたっても中位や下位のままだということを改めて感じたゲームでした。ああいう場面で点を決めていく、シュートを打つ、ゴールに向かうことを繰り返していけば、自分たちの順位は比例して上がっていくはずです。守備がいいからこそ、攻撃でスコアを動かしていく。スコアが1でも多いほうが勝利するスポーツだということを再認識して、また1週間トレーニングを積んでいきます。

──羽生選手をメンバーに抜擢した理由を教えてください。

試合に起用しなければ、選手は一生上手くならないですよね。まずはその一択と。あとは彼が奇跡的なことを起こすことができれば、Fリーグにとっての大きな未来になると自分は理解していたこと。そしてこのフウガドールすみだというクラブを、日本全国に示すために起用しました。もちろんその背景にある彼への信頼が絶大だったということは、今日のプレータイムを見て理解してもらえると思います。見てのとおり初出場とは思えないプレーでしたし、期待どおりの仕事をしてくれました。

──いつ頃から起用することを決めていたんでしょうか。

いつ決めたかでいうと、今週の頭には使う気でいました。

高校生なので、現状トップチームのトレーニングにはなかなか参加できないのですが、無理のない程度に練習に来ながら、臆することなくプレーできていました。(オーシャンカップに)U-19日本選抜として出場した時も素晴らしいパフォーマンスを見せていましたし、そのあとの選抜チームとすみだとの練習試合でも、代表のスタッフから多くの評価を得ていることを確認できました。自分たちが持っている財産をしっかりとFリーグのピッチでも生かすことで、彼にとっても大きな成長があると判断し決めたことです。

スタートかどうかというところは、すみだファルコンズの小倉勇監督とコミュニケーションを取って決めました。前日にU-18東京都大会の準決勝と決勝があって、もし負けて(関東大会出場がかかっている)3位決定戦で長い時間出場する必要があると、こちらの試合での出場は難しい状況でした。ただしっかり準決勝にも勝って、決勝の出場時間を調整してもらえたことで、今日に向けてのコンディショニングを整えることもできました。本当にいろんな人が力を合わせて、彼をこの舞台まで引き上げたのかなと思っています。

──羽生選手は序盤からたくさんシュートを打ち、高校生としてはフィジカルも強い選手だと思いますが、監督から見る彼の良さはどういうところでしょうか。

今日初めて彼を見た皆さんは、15歳のプレーヤーだという認識はたぶん持たないですよね。そのぐらい、フットサルを理解している。そこが1番のタレント性です。フットサルというものが、20m×40mのコートで、5対5で行なわれていること。ルールの話ももちろん、彼は熟知しています。そしてそこに紐づいてる戦術や戦略を頭で考え、こちらのオーダーを実行していく能力も含めすでにトップレベルです。

唯一足りなかったのは、フィジカルですね。彼が1人でゲームを動かせるような、例えるならY.S.C.C.横浜の堤(優太)選手ほどの能力はない。ただ、ほかの選手を誰よりもうまく使うことができますし、自分が持っている戦術を誰よりも正しくピッチのなかで実行することができます。いわゆる“フットサルIQ”はFリーグトップレベルかなと。いずれは名古屋のアンドレシートのような選手になってくれると期待していますし、そのぐらいのクオリティを持ってる選手だと感じています。

──畠山選手もすみだの育成組織出身で、今ファルコンズのコーチされているというお話もありましたが、生え抜きの選手がこれだけメンバー表に名前を連ねている現状と、その循環という部分は監督としてどのように感じていらっしゃいますか。

今日星(龍太)はいませんでしたが、年齢のバランスも非常にいいです。そして、近年結果が出ているにもかかわらず、トップでチャンスをもらえなかった選手たちもいました。今日でいうと大分の田口(大雅)もそうですし、(宮下)豪也もそうですし、他にも自分たちの選手であれば甘利(斗亜)もそうです。そういう選手にFリーグ1週目でどれだけチャンスを与えられるか、そしてチャンスを与えるために、監督が大きな勇気を持っているかというところが重要です。

長い期間教えてきた選手もいますし、1年、2年の選手もいますが、育成年代の時から彼らをずっと見てきています。そして、自分がイメージするフットサルを一緒に体現してくれる選手を選んで、試合で使えるのは監督だけに許された権利です。それをしっかり結果に出せていることがすべてだと思います。

あとは僕だけじゃなく、畠山をはじめ、これまでつくりあげたものを繋いでいく優秀な指導者が現場にはいるので、育成組織に関わるすべての人が、クラブや選手の力を引きあげてくれてるのかなと感じています。

──次戦に向けて。

ここで勝点3をとっても次の試合で勝てなければ意味がないので、目の前の試合に全力を尽くして全部の試合で勝ったら、いつかチャンピオンになると思っているので、そのためにいい準備をしていきます。

ただ次の相手であるペスカドーラ町田は、育成組織の選手に自分たちよりも早く投資している素晴らしいクラブであり、リスペクトしていています。指揮官の甲斐監督も、これまで育成組織同士の試合で対戦してきたので、次のゲームはその決戦のような感覚ですね。昔、全日本ユースの決勝で当たろうねという話をしていて、自分たちが負けてしまって実現しなかったことがあったので、F1でその戦いを見せられることをすごく楽しみにしています。ここで勝利という大きな結果を得て、日本の育成の素晴らしさやすみだの強さを示していきたいです。

0で抑えてくれた“コジータ”にも感謝したい

●畠山勇気|フウガドールすみだ

──試合を振り返って。

北隅監督に全部言われてしまいました。同じことしか言えないです。ただひとつ言えることは、ハーフタイムにも「1点じゃ勝てないぞ」と言い続けてたんですが、1点で勝ててびっくりしています。コジータ(岸翔太)に0で抑えてくれてありがとうという気持ちです。2試合連続で0というのは、どのチームでもなかなか無いことだと思います。

個人的には、高校生のときから育成組織で一緒にやっていた北隅監督と、こうして勝利を掴むことができて幸せです。

他には……。自分は今ファルコンズでコーチとして指導をしているのですが、普段は教える立場の恒平とチームメートとしてコミュニケーションを取り合って、一緒のピッチでプレーしているのは少し不思議な感覚でした。彼の得点を自分がアシストすることもできたので、お互いにとってすごく良い日になったんじゃないかなと。彼にまた活躍してもらいます。

──畠山選手としても2点目以降の得点を狙うなか、決定機をことごとく相手に阻まれてしまっていた印象でした。途中からは、自分がフリーでも仲間にボールを渡しているようなシーンもあったように見受けられました。シュートを打ってもなかなか点にならず、少し戸惑った部分もありましたか?

いやそんなことはないですかね。今日はたまたま入らなかったですね。中田(秀人)選手からもらったセカンドのボールとか、ダイレクトのシュートは決められる感覚はあるんですが、今日は相手のキーパーがめちゃくちゃ良かったと思います。

自分で打ったほうがいい場面もありますが、チーム全体を考えたときに周りの選手にもシュートを打たせてあげたり使ってあげないと、やっぱりストレスになるので。僕がそれこそ清水和也ぐらい、1人で点が取れる選手だったら問題ないですが、まだそういう選手ではないので。バランスを考えながら、うまく使い分けたほうがセットの雰囲気が良くなるかなと。

僕自身も、例えば全部ピヴォの選手に当てて自分にボールが来なかったら嫌なので、そこは周りも見ながら、それぞれの選手の特徴を生かして仕掛けてもらったり、打ってもらおうというのは試合中も考えながらやっています。なので、自分のゴールが決まらず、戸惑っての選択ではないです。決めたい時はもっと強引な時もありますし、たまたまですね。次は入ります。

──次戦に向けて。

絶対に勝ちにという結果にこだわってやっていきたいのと、個人的には町田とは相性がいいイメージがあるので、自分たちが主導権を握りながら、今日みたいに早い段階で先制して得点を積み重ねて、試合巧者になっていいゲームをしたいです。勝てると思います。

▼ 関連リンク ▼

▼ 関連記事 ▼