更新日時:2024.03.05
【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】手負いのストライカーが、決勝で本領を発揮し2得点!名古屋・清水和也「ピッチに立った以上は、チームに貢献しないといけないと思っていた」
PHOTO BY高橋学
3月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて第29回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が行われ、名古屋オーシャンズと立川アスレティックFCが対戦。名古屋が6-2で勝利し、5年ぶり6度目の日本一の座に輝いた。
太ももの負傷もあり、準決勝はベンチから試合を見守った清水和也。仲間たちのおかげで勝ち上がった決勝の舞台では、エースの本領を発揮。こぼれ球への反応と、ドリブル突破からの2得点をマークした。
加入1年目ながら名古屋の3冠に貢献。シーズンを通して王者・名古屋の一員として存在感を示したが、個人としての結果には満足していない。環境が変わった1年を終えて、自身に対して何を課題に感じているのか。
試合後、清水に話を聞いた。
トレーナーやドクターには感謝しかない
──選手権優勝、おめでとうございます!まずは、今日の試合を振り返っていただけますか?
いい形で得点が取れた試合でした。失点した時もチームがバタつかずに、点差を守るというよりも一気にまた点を取りに行こうと、ギアを落とさなかったことが全てかなと思います。いい時間帯で得点を重ねられて、スコアを見ても6対2と自分たちにとってはすごくスムーズに試合を運ぶことができました。
それ以上に1人1人の「優勝して終わりたい」という強い気持ちが、この結果に繋がったのかなと思います。出場時間が短い選手、長い選手、怪我人の選手、1人ひとりが自分の役割を全うした結果だと感じました。
──今日は2ゴールを決める活躍を見せました。得点シーンも振り返ってもらえますか。
1点目は立川のゾーンディフェンスをどう打開するかというところで、セグンドにボールがこぼれてくるかなと考えていました。そこで自分が先に触れば点を取れると思っていた時に、いい形でルーズボールが来て、足を伸ばした結果がゴールにつながったのでよかったなと。
2点目に関してはカウンターのシーンでした。マッチアップした南雲(颯太)は、高校生の時に一緒のチームでやっていて。1対1になった時に、自分に対してけっこう圧力をかけてきたので、彼の前に入れるようにドリブルをしたらしっかりと入れ替わることができました。
あとは昨シーズンは一緒のチームでプレーしていた檜山(昇吾)相手にも、しっかりと状態を最後まで見てボールを流し込めたので、いい得点だったんじゃないでしょうか。あそこでポンポンと点を取れたことによって、精神的にも少し余裕が生まれたと思います。
──昨日の準決勝には出場していなかったですよね。
1回戦から太ももの打撲をしていて、治りかけてまた再発するのを繰り返していました。準決勝の前も怪我の状況があまり良くなくて。決勝に出るために、準決勝はスキップすることをチーム全体に理解してもらいました。その結果、昨日は治療に専念できました。
ただこの選手権で何もできていなかった状況で、今日このピッチに立った以上は、何かチームに貢献しないといけないなと思っていました。決勝で2得点を取れたことで、少しチームの力になれたのかなと思います。
トレーナーの皆さんやドクターのおかげでこのピッチに立てました。今日の試合に出られたことをすごく嬉しく思いますし、本当に感謝しかないです。
──準決勝で外からチームを見守ってる時は、どんな気持ちで試合を見ていましたか?
必ず決勝に連れていってくれるだろうとは思っていました。
ただそこで全てをおんぶしてもらうというよりかは「自分も一緒に戦ってるんだ」という気持ちを見せていこうと思い、ベンチで出来ることをしてきたつもりです。
今大会は宮川が負傷で出られないなかで、すごくチームのサポートをしてくれていました。彼は若い選手ですけど、チームのことを思って行動する姿を見てきましたし、今回ここに来れなかった八木聖人の分も、なんとかして自分はこの怪我と向き合いながらピッチに立ちたいなという風に思っていました。だから、準決勝ではみんなを信じて待っていたという感じですね。
名古屋の選手として、さらに結果を出す
──今シーズンから名古屋に加入しましたが、環境が変わったなかでどんな1年になりましたか?
名古屋に加入すると決めたことは、自分の中で大きな決断でした。今シーズンは結果的に3冠を取れましたけれど、個人的には苦しいシーズンを過ごしたなと思います。まだまだ個人の結果には満足していないので、そこに対してしっかりと向き合えた期間というのは、自分にとってもすごく大きかったです。
この経験を生かして、来シーズンにつなげないといけません。練習環境含めて日本最高峰のチームなので、そこに“行っただけで終わり”ではなくて、そこで自分が思い描いてる選手像になるためにも、日々の努力がもっともっと必要だなと感じたシーズンでした。
でも1シーズン目にしてはすごくいい結果を取れましたし、個人としても反省点が見つかった部分もあるので、そういった意味では濃いシーズンだったと思います。
──個人として苦しかった部分とは、具体的にどのような部分ですか?
スコアの部分です。リーグ戦では27節あって、14点しか取れなかったところに関しては責任を感じました。リーグ戦も、最終戦まで優勝がわからないなかで、もっともっとチームを救う点を取りたかった。そこに関しては自分の力不足だなと素直に思います。
そういった意味でもより責任感を持ってやらなきゃいけないですし、自分が責任をもっていると思っていたところも、名古屋の選手としてさらに結果を出さなきゃいけないというのは学びましたね。
──清水選手の“思い描いてる選手像”というのは、どのようなものでしょうか。
ピヴォの選手は点を取らなきゃいけないポジションです。世界的に見ても、各代表にはスーパーなクラスのピヴォがいるなかで、自分は日本代表と言ったら清水和也だと言ってもらえるようにならなければいけないと思っています。
今年はワールドカップイヤーですし、代表としてもすごく大事な時期です。そういった意味でも日本代表としてチームを救う得点が必要になってきます。
ただそこで点をとるには、名古屋でも絶対的にならなければいけません。今シーズンの自分のパフォーマンスで足りないところが多いので、しっかり自分の中に課題を落とし込んで、成長したいです。
──今シーズンからクラブに加入して感じた「名古屋の強さの理由」とは?
練習強度とか含めて、ものすごい練習量をこなします。試合の週でも「めちゃくちゃきつい」と思うようなトレーニングをすることもありました。
あと選手1人ひとりの向上心がすごくあるし、外国人もスーパーなクラスの選手がいます。そういった選手たちと常に比較、競争ができる環境は、すごく自分にとってすごくプラスだなと思いました。
名古屋が強い理由は、外からなんとなく想像していたことが、中に入ってみると全然違ったなと。本当にみんなが一生懸命練習して、毎日自分を追い込みながら理想をつかみに行く姿は、入った当初は驚きを感じました。
「自分もこうでなくちゃいけない」と思いましたし、この1年はそういった姿を見て学んで試せた有意義な時間だったので、来シーズンもさらに進化できるように頑張りたいなと思います。
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