更新日時:2025.04.30
【女子日本代表】最年少のストライカーが、指揮官の言葉で得た変化。岩崎裕加「自分がゴールを決めないといけない」
PHOTO BY伊藤千梅
2018年以来、7年ぶりの開催となるAFC女子フットサルアジアカップ中国2025まで2週間を切った。大会を直前に控えた日本女子代表は、4月24日から27日にかけて高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングキャンプを行う。
5月6日に初戦を迎える本大会は、同年に開催される史上初のFIFA女子フットサルワールドカップフィリピン2025のアジア予選も兼ねており、3つのW杯出場枠を懸けて戦う。
今大会に最年少で挑むのが、フウガドールすみだレディース所属の岩崎裕加。最前線でのボールキープ力を武器に得点を重ね、2024-2025シーズンのリーグ戦では通算15得点をマーク。存在感を示した。
ファイナルシーズンの直前、昨シーズンから指揮を執る窪堀宏一監督にある言葉をかけられた。そこから岩崎のなかで何が変わり、自身のなかでどんな変化が生まれたのか。
次世代を担う選手として期待される22歳に、いまの思いを聞いた。
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年齢は関係ない
──今大会は最年少での選出となりました。
年齢はそこまで気にしていないですね。こんな見た目なので(笑)。年齢関係なく、自分ができることを出し切って、アジア制覇という目標をみんなでつかめたらなと思っています。
チームのみんなにも「年齢は関係ないぞ」と言われて送り出してもらいました。緊張もあることにはありますが、しっかりプレーできたらと思います。
──国内合宿から、年齢関係なく堂々としたプレーを見せているように感じます。
そうですね。プレー以外のところではもちろん先輩たちを敬っていますけど……本当ですよ(笑)。でもピッチに入ったら自分からどんどん要求するし、逆に味方が求めることを受け止めながら、セット間でいいプレーができたらなと思っています。
──昨シーズンのリーグ戦では15得点を挙げる活躍を見せていました。
リーグ戦が始まる前に、窪堀(宏一)監督と「自分が点取ってチームを勝たせる」という話はしていました。2023-2024シーズンが8ゴールだったので、1試合に1ゴールを決めて2桁ゴールするというところは面談で決めて、それを目標にやっていました。
試合をしていくなかで、みんなからもパスが来るようになり、自分が中心でプレーさせてもらっているチームだなと感じました。結果を出さないといけないことは少しプレッシャーもありましたが、そこで得点することが自分のタスクだと思ってリーグ戦を戦っていました。試合を重ねていくごとに自信もつきましたね。
ただ、レギュラーシーズンの後半は勝ち切ることができない試合が続いて、全日本選手権のシード権を落としてしまいました。そういった部分は今シーズンにつなげないといけないと思っています。
──ファイナルシーズン前に、窪堀監督に言われたことがあるそうですね。
レギュラーシーズンの最後は自分のコンディションがあまり良くなかったのもあり、仕掛けられるところでパスをしてしまうなど後ろ向きなプレーを選択することがありました。
その時、窪堀監督からは直接「自分がゴールを決めないとチームは上位に行けないよ」と言われました。「代表を目指す選手であり、一番前にいる選手がゴールにいかないのは良くないよね」と。窪堀監督が怒ることはこれまでなかったのですが、その時はかなり強い口調で伝えてもらいました。
そこで目覚めたわけじゃないですけど、代表に選ばれることやアジアカップ、その先のW杯を目指していることも、改めて明確になったと思います。
──それでは最後、改めて今回のアジアカップに懸ける意気込みを教えてください。
11月には初のW杯が開催されます。そこにはアジアチャンピオンとして大会に臨むことが一番いい形だと思っているのでそこを目指したいです。チームも国際大会や練習試合を経て強くなっていますし、いい形でゴールも奪えているのでそれを継続したいです。
自分自身も反転シュートやゴールにいく姿勢、周りとのコンビネーションを発揮して、アジアを制覇して、ワールドカップにもいけるように頑張りたいです。
──アジアカップでは、何ゴール決めますか?
その質問、よく言われるんですよ(笑)。じゃあ……3点で!予選が3試合あるので、そこで1ゴール決めて、波に乗れた状態で準々決勝、準決勝、決勝といけたらなと思います。目標は3ゴール(5ゴール、かも)って書いといてください(笑)。
──わかりました(笑)。ありがとうございます!頑張ってください!
■AFC女子フットサルアジアカップ中国2025日程
5月7日(水) | 21:00(現地時間:20:00) | グループステージ第1戦 vs フットサルインドネシア女子代表 |
---|---|---|
5月9日(金) | 15:00(現地時間:14:00) | グループステージ第2戦 vs フットサルバーレーン女子代表 |
5月11日(日) | 21:00(現地時間:20:00) | グループステージ第3戦 vs フットサルタイ女子代表 |
5月13日(火) | 15:00(現地時間:14:00) 12:00(現地時間:11:00) 18:00 (現地時間:17:00) |
準々決勝 グループC1位の場合 グループC2位の場合 グループC3位で突破した場合 |
5月15日(木) | 18:00 or 21:00(現地時間:17:00 or 20:00) | 準決勝 |
5月17日(土) | 18:00 or 21:00(現地時間:17:00 or 20:00) | 3位決定戦 or 決勝戦 |
<日本女子代表>インタビュー
- 須賀雄大監督
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