更新日時:2025.05.18
【女子日本代表】先輩たちの思いを紡ぎ、つかんだ悲願。「ここからが新たなスタート」キャプテン・伊藤果穂が歓喜のあとに見据える未来
PHOTO BY伊藤千梅
【AFC女子フットサルアジアカップ2025】日本 3-3(PK3-2) タイ(日本時間5月17日/フフホトスポーツセンター)
5月17日、日本女子代表はAFC女子フットサルアジアカップ2025・決勝を戦い、PK戦の末タイ代表に勝利をおさめた。
2015年、マレーシアにて開催された初回大会から、AFC女子フットサルアジアカップに出場している日本女子代表。過去2大会はいずれもイラン女子代表に敗れており、「アジア女王の座」はまさに“悲願の目標”だった。
タイムアップの笛が鳴り、“なでしこ5”の喜びの笑顔や安堵の表情がうかがえるなか、ひときわ顔をくしゃっとさせ仲間と肩を抱き合っていたのが、キャプテン・伊藤果穂だった。
これまで、日本女子フットサル界をけん引してきた先輩たちからバトンを受け継ぎ、腕章を巻く重圧を跳ね返してつかんだ初タイトル。苦しい6連戦でもチームをまとめあげたリーダーの目には、歓喜の涙が溢れた。
激闘を終え、いつもの冷静さを取り戻した伊藤が、率直な思いと次のステップへの意気込みを語った。
取材=伊藤千梅
編集=青木ひかる
悔しさをきっかけに、チームとしてより一つになれた
── 優勝おめでとうございます。率直に今、どんな気持ちですか?
ホッとしています。そして「うれしい」の一言に尽きますね。ずっと目指してきた目標だったので、アジアチャンピオンになれたことが本当にうれしいです。
── タイムアップの笛を聞いた瞬間は、どんな感情でしたか?
正直、最初は実感が湧かないような感覚もありました。でも、ここまで積み重ねてきたものが一気に蘇ってきて……。大会を通して波もありましたが、それでも本当にみんなで一つになって戦えていたという自信がありました。だからこそ、「これはみんなで勝ち取った勝利だ」と感じています。
──タイ相手に、リベンジを果たせた一番の要因は?
全勝優勝を掲げていましたが、グループリーグでは一度タイに敗れてしまいました。だけどあの悔しさをきっかけに、チームとしてより一つになれたんじゃないかな、と。
そこから準々決勝、準決勝と、積み重ねてきたものが最後に自分たちの力になったし、なにより仲間を信じて、全員で戦い抜けたことが、この結果につながったと思います。
──最後に、応援してくれたファン・サポーターへメッセージをお願いします。
本当にたくさんの応援をありがとうございました。SNSなどを通じて届いた皆さんの声は、私たちにとって本当に大きな力になっていました。
優勝はずっと目指してきた場所ですが、同時に新たなスタートでもあると思っています。ここからは自分たちのチームに戻って、日本女子フットサルリーグでまた力を発揮できるよう、選手それぞれが努力していく期間になります。ただ、変わらずみなさんの応援をこれからも力に変えて、前に進んでいきたいと思います。
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