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作成日時:2025.07.12
更新日時:2025.07.12

残り12秒で手にした“勝ち点1”の意味。二度目の就任、横浜・鳥丸太作監督のフットサル哲学「ゲーム自体を楽しむ。そうしたチームが結局は強い」【F1第7節|インタビュー/横浜】

PHOTO BY伊藤千梅

【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】Y.S.C.C.横浜 3-3 ボルクバレット北九州(7月11日/横浜武道館)

7月11日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第7節が行われ、Y.S.C.C.横浜とボルクバレット北九州が対戦。横浜は3-3で引き分けた。

第1ピリオド3分、好調を維持する野尻大和が左サイドの突破から先制点を奪うも、18分、19分に失点。勝ち越しを許して試合を折り返した。34分には伊藤玄が粘り強く押し込んで同点とするも、38分に再び追いつかれてしまう。しかし残り12秒、横浜はパワープレーから山田優介がファーで合わせてホームで勝ち点1を手にした。

試合後、鳥丸太作監督に話を聞いた。

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やりたいフットサルの先に上位を目指す

──今日の試合を振り返って。

結果的に追いつきましたが、内容的には勝ちたいゲームでした。選手とも話していたのですが、先に点を取って、その1点を大事にしすぎたかなと。(前節の)名古屋戦でも先に点を取って、そこから相手の攻撃を受け入れるような展開になっていたので、そこはこのゲームで変えたいと思っていました。

引き続き取り組んでいきますけど、今日は慎重に攻めていったなかで受けたカウンターだったと思います。シンプルにシュートまでいくようなメンタリティであれば、ああいったカウンターを受けることはあまりないのかなと。2失点がカウンターによるものだったと思うので。

あとは相手が少し待つような、ラインの低いディフェンスだったと思いますが、それに対して効果的に動けませんでした。そうした課題を改めて感じるなかで、後半のゲーム内容は主導権をにぎれていたと思うので、悔しいですし、そこを勝ちきれるチームになりたいな、と。

同点にして、その次の1点を取る力が必要だと強く感じました。追いつけたことは良かったですけど、内容的には勝たなければいけないゲームだったのかなと思います。

──名古屋戦を含めてすごくいい試合をしたなかで勝ちきれない。勝つためにやるべきことは?

今までやってきたことのクオリティを上げるしかないとは思っています。あとはメンタリティ。自分たちが慢心せずに、自信と危機感をもって試合に臨む。楽なゲームは一つもないですから、危機感があるなかで自分たちの力を発揮して、ゲーム自体を楽しんでいく。そうしたチームが結局は強いのかなとは思います。

チームの一体感をすごく感じるので、そこに楽しむ気持ちがあれば、ゴール前で一つ工夫できる。ただ一生懸命にやっても、たぶん、その工夫にいかなかったりするので、ちょっとした遊び心を含めてゴール前での部分ですね。あとはそこに自信をつけていくことでゴールを取る、あるいはゴールを守ることにつながると思います。

戦術的な部分は、相手がマンツーマンだったらとか、マークチェンジするのであればとか、すみ分けはずっとやってきているので、そうしたところと、メンタル的なところを合わせて積み上げていくことでしか勝てるチームはつくれないと思います。ありがちな言葉ですけど、今までやってきたことを信じて積み上げていくしかないですね。

──横浜の監督に復帰してチームづくりで意識していることは?

今の話にも通じるのですが、チームメイトが力を発揮しやすい雰囲気をつくることを心がけています。僕が言ったことをただやるのではなく、選手たちが主体的に発信する。すごく力のある選手が力を発揮して、そこに他の選手がついていくというよりも、全員が力を発揮できるチームのほうが強いと思います。

チームの連動はその個人の力を発揮させるためのものでもあります。例えば今日も、(野尻)大和のアイソレーションからのドリブルの仕掛けはいろんな局面であったと思いますし、そこからゴールが生まれたことは、彼の良さを引き出すためにみんなが動いたからです。それで大和は、チームのために力を発揮しました。そこはずっと心がけてやっています。今シーズンのキックオフミーティングでもそうした話からチームをスタートさせました。

──今シーズン目指していくところは?

横浜の歴史を考えると、今は上位リーグ進出が現実的に目指すべき場所だと思います。そこに自分たちの哲学を乗せていく。もちろん、(哲学が先か、結果が先かという)両方あるとは思います。

僕たちは、自分たちの哲学を突き詰めた先に勝てるチームを目指し、その結果、上位リーグに進出するという順番で考えています。相手に対して奇抜な戦術をしたり、相手に合わせるのではなく、自分たちがやりたいフットサルを突き詰めていく。自分たちのフットサルをしながら、相手に対してカスタマイズして、調整することを目指しています。まずはそのベースづくりをやっているところなのでまだまだ良くなると思います。

今すぐではなくても勝ちがついてきて、その先に上位リーグがあれば理想だなという考えでやっています。

──では「自分たちのフットサル」とは?

僕たちのフットサルとは「自分たちのアクションで優位性をつくっていく」こと。もっと大きな、最初のところで言えば、「自分たちも楽しいし、見ている人たちにも楽しんでもらえるフットサル」です。

やっぱり、楽しいからやるというのが、一番根っこの理由だと思います。それを実現するためには、自分たちのアクションによって、主導権をにぎること。自分たちが思ったように展開するフットサルができたら、選手は楽しいと思います。そして、そこに自分たちの成長と勝利がある。これがあるとアスリートは楽しいはずです。

自分たちが主導権をにぎるというのは、自分たちがボールをにぎること。ボールを持ちながら優位性をつくる。優位性とは、スペースや数だったりしますが、それをつくれるようなゲーム。攻撃も守備も、そうしたプレーモデルにしています。自分たちのアクションによるプレーで主導権をにぎり、それによってゲームを支配することに僕らは楽しみを感じる。そこを目指すことが、僕たちがやりたいフットサルだと思っています。

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