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作成日時:2025.08.07
更新日時:2025.08.07

「気持ちがないならピッチに立たなくていい」立ち上がりの失点で3連敗。伊名野慎が抱く危機感とチームに求める闘志【F1第10節|インタビュー/横浜】

PHOTO BY伊藤千梅

【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】Y.S.C.C横浜 0-3 湘南ベルマーレ(8月1日/横浜武道館)

8月1日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第10節が行われ、Y.S.C.C横浜と湘南ベルマーレが対戦。湘は0-3で敗戦した。

横浜は、第1ピリオド立ち上がりに失点を許すと、試合終盤にもダメ押しゴールを奪われ、3失点で敗戦。これを受けて横浜は3連敗を喫し、5試合勝利から遠のくことになった。

今シーズン横浜に加入した、リーグ屈指のムービーメーカーとしても知られるGK・伊名野慎。

ただこの試合後には連敗に対する悔しさを吐露。今節も立ち上がりの失点に苦しみ、ホームで見せることのできなかった気迫について危機感をにじませた。

チームの問題点は何なのか。伊名野はチームを変えるべく強い意志を口にした。

取材=伊藤千梅
編集=柴山秀之

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このままだと一生勝てない

──今日の試合はいかがでしたか?

僕たちの今の順位やチーム状況を含めて、絶対に勝たなきゃいけない試合を落としてしまいました。元気はないですし「勝たないとやばい」と、自分的には焦りを感じています。

──敗戦を分析すると?

フウガドールすみだ戦(第8節:●2-8)もしながわシティ戦(第9節:●0-6)もそうでしたけど、先制点の取られ方が良くなく、自分たちのミスからでした。

「そこは頑張ろうよ」「しっかりコミュニケーションをとって守備をしよう」「一人ひとりが責任をもとう」と話はしていますが、立ち上がりでの失点が多すぎます。誰かの責任というわけでもないですが、特に1点目のゴールを簡単に相手に許してしまうところがどうしても直らない。そこを直さない限り一生勝てないよな、と改めて感じた試合でした。

第1ピリオドの最初はシュートを打てない時間もありました。でもそれは戦術の構想的な問題でもあります。みんなは「0-1だけど、一旦これ以上は傷口は広げずに1個のチャンスを仕留めよう」という感覚で、悲観的ではありませんでした。

ただ、シュートを打たないと試合は変わりませんし、1個のスイッチを入れるプレーが今後は大事になると思います。

──立ち上がりの失点の原因はどこにあると感じていますか?

僕はこれまで、浦安、町田、北九州、すみだとさまざまなチームでプレーさせてもらいました。正直、ボール扱いは、今までプレーしてきた選手たちの中でも、一番高いと感じます。特にファーストセットのメンバーのボールを蹴る・止める・動かすことに関しては、サッカーでもエリートの部類だな、と。僕からしたら手の届かない存在であり、練習中から凄みを感じています。

彼らに関してはメンタルも整っていて、戦うこともできていますが、どうしても他の選手は自分たちのフィロソフィーや戦い方を体現できていない。第1ピリオドの途中から守備に重きを置く戦いに変えましたが、どうしてもファーストセットとセカンドセットの要所要所で気持ちを出せていない部分の差を感じてしまいます。

──具体的にその気持ちとは?

僕は、ピッチ内では誰に嫌われてもいいと思っているし、その気持ちがないならピッチに立たないほうがいいと思っているんですね。

もちろんピッチ外では敵味方問わず仲良くしていいと思っています。ただピッチに入ったら、まずは目の前の敵に負けないこと、相手に勝つ意志を示さないといけない。それがすごく欠如しています。できている選手もいますが、チームのベースをもっともっと上げなきゃいけません。

──さらに今日はホームゲームでもありました。

今日は“神奈川ダービー”で、ホームなのに明らかに湘南のサポーターが多かった。そのなかで僕らが相手のサポーターを静かにさせるようなプレーができなかったことは、ありえないことです。ここは僕たちのホームだと示す必要があったのに、自分たちの家(ホーム)を守る感覚がありませんでした。

僕は海外のフットボールが好きですし、自分も海外で少しだけプレーしていたので、ホームで戦うことがすごく大事だという感覚があります。負けるなんてありえないし、緩いプレーをするならもうやめたほうがいい。そんな選手はもう一生試合に出れないくらいの感覚でプレーしています。

だからこそ、ホームでやることの大事さや熱量が足りない、緩い選手が多いと感じていますね。



根底にあるべきは“勝ちたい”気持ち

──戦う姿勢はどのようにすれば変わると思いますか?

正直、フットサルが上手すぎてこのカテゴリーまで来たが故に、泥臭さや雑草魂が足りない選手がいると感じています。例えば、昨シーズンまで一緒にプレーしていた翔太さん(フウガドールすみだ:星翔太)は、試合でのスイッチの入れ方を知っていたし、それは横浜の選手も学べると思います。

それこそ、この試合ではベンチにいた選手の声が小さかった。気持ちを前に出さないのは、僕からしたらありえません。それでどうやって試合に出て、監督が使いたいと思うんですか、と。

「俺が変えてやるんだ」「目の前のやつに負けないんだ」「もっとやれるぞ」と、もっともっと闘志を出さないといけないと僕は思います。

──それを踏まえて今、伊名野選手ができることは?

僕も北九州戦(第7節)から、自分の強みである気持ちを前面に出すプレーが薄れていました。

もっともっと自分はやらなきゃいけないですし、今日はロッカールームでも、ウォーミングアップ中も試合中も、鼓舞をしながら戦っていました。根性論ではないですが、「勝ちたい」とか「負けたくない」という気持ちを根底にもってプレーするべきです。

シーズン開幕前の練習試合でも、カテゴリーが下のチームにポンポン負けていた時期がありました。でも一つスイッチが入った試合から、圧倒することができました。それをもう1回全員が思い出さなきゃいけないですし、僕がこのように発信して変わることに期待したいです。

──逆に、気持ちを感じる選手は?

(高原)優は練習からコミットしています。僕たちのサポートもめちゃくちゃしてくれていますし、試合前、試合後も含めていいマインドです。すごく悔しいとは思いますけど、試合にも絡めてなくても続けています。

全員が優みたいになれるとは思わないですけど、彼みたいなマインドや姿勢は全員が見習うべきです。彼は昨シーズン頑張った結果、トップチームに上がったと思いますし、そういう人の分まで勝たなきゃいけないというのは、今日改めて感じました。

──最後に、今後に向けて意気込みをお願いします。

まずはボアルース長野に勝って、勢いをつけて前半戦最後の名古屋オーシャンズ戦に臨みたいです。今日の敗戦で僕たちが目指す上位リーグはだいぶ難しくなりましたが、中断期間もあるので、僕たちはもう一度強くなれるチャンスはあります。

今日の定位置攻撃は良かったと思いますし、前進からシュートまでいけていました。ボール回しに関しても、正直そんなに取られる気はしていないので、そこをもっと磨いていきたいです。

「ボール回しが上手いよね」ではなく、「上手いし勝てるよね」と言われる集団になれるように、また一歩ずつやっていきたいです。個人としては、シュート止めて代表に入れるように頑張ります。

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