更新日時:2025.08.06
残り23秒でつかんだ勝利。戦力、環境、お金…すべてに勝る“完全プロ”に挑んだ主将・上村充哉の強い意志「言い訳をしたら、差は一生埋まらない」【F1第10節|記者会見/立川vs名古屋】
PHOTO BY伊藤千梅
【メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1】立川アスレティックFC 4-3 名古屋オーシャンズ(8月3日/アリーナ立川立飛)
8月3日、メットライフ生命Fリーグ2025-26シーズン ディビジョン1の第10節が行われ、立川アスレティックFCと名古屋オーシャンズが対戦。立川は4-3で勝利した。
試合後、サバス監督と上村充哉が記者会見に出席した。
晃さんは社長なので仕事が忙しい
●サバス監督|立川アスレティックFC
──試合を振り返って。
はじめに、ファンのみなさま今日はありがとうございました。2102人の方が集まってくださり、びっくりしました。みなさんのエネルギーをすごく感じました。
試合でも選手たちは最初から最後まで素晴らしかったです。40分間集中できていたと思います。名古屋はとても強いですし、パスやシュートがうまい選手がいるのでとても難しい試合でした。でも勝つことができました。先週の町田の試合で私たちは負けてしまいました。ゲームは悪くなかったけど、6失点したら勝てません。
でも今日は違います。昨シーズン名古屋との対戦は4-4、2-2と引き分けが続いていて、最後は2-3で負けました。いい試合をしていても、ずっと勝てなかった相手ですが、今日は勝てました。そうして積み重ねてきた前のステップは大事です。
僕は他の国から来たので、日本のリーグのレベルがわかります。日本のレベルはとても高いですし、難しいです。今日の試合でしながわは(シュライカー大阪に)負けたけど、次に対戦したら私たちが負けることもあると思います。
次節を終えると4週間の休みに入るので、次で勝ち点3が取れるかは大事です。気持ちの部分で結果が変わると思います。火曜日から次に向けて頑張って、それが終わったらそれで休みましょう。みんなきついですし、僕もきついので(笑)。
──今日の試合にはどのように臨みましたか?
スポーツは気持ちの部分が大事で、私はそこのマネジメントが一番難しいと思っています。今日は14人の選手がメンバーになり、11人がコンスタントにプレーしました。フットサルはマネジメントは難しいけど、大切です。テクニックのレベルはあります。ただ感情のマネジメントは、チームのスタイルが変わります。それが悪かったら選手たちは悪いプレーをするし、良かったらレベルをとても上げます。
今日の試合はそれぞれ選手は悪くなかったけど、失点もしました。監督の仕事は、今日は素晴らしかった“けど”、をつける。得点したけど、悪いDFから失点もしている。そこを厳しくいうことも監督の仕事です。
毎週試合に向けてフォーメンションをシェアして、スカウティングといったマネジメントをしていますが、感情のマネジメントは難しい。毎週では終わりません。
──皆本晃選手が引退を発表されました。皆本選手についてはどのような印象がありますか?
晃さんはDFの選手ですが、オフェンスもできます。右足でも左足でもシュートができますし、1対1も強い、いい選手です。
ただ、フィジカルコンディションの問題はあります。社長なので仕事が忙しいです。毎日遅くまで働いているし、5時半に起きて7時からの練習に参加しています。調整は無理なことではないけど、難しいです。(名古屋の)吉川智貴とはフィジカルコンディションが全然違います。でもしょうがない。社長は大変ですから。
でも、今日もすごくいいプレーをしていました。失点シーンのところ以外は素晴らしいパフォーマンスでした。いい選手です。感情のところが立川は強いですし、今日勝ってうれしいです。晃さんは毎日クラブのためにやっているので、勝てて良かったです。
──GKの茂呂翔也選手が今シーズン初めての先発起用でした。その意図を教えてください。
GKのマネジメントは、フィールドプレーヤーとは全然違います。フィールドはプレーの時間があっても、GKは少し違います。茂呂さんは今日初めての先発でしたが、今日のパフォーマンスはベンチから見ていてもとても素晴らしかったと思います。心配していませんでした。
(檜山)昇吾さんはこれまでいいパフォーマンスを見せてくれていました。でも先週の試合はあまり良くなかった。なので直接話をしました。悪かったら他のGKにもチャンスが必要です。3人のGKがいて、他の選手もいいプレーをしていたら、チャンスがあるべきです。今日は朝まで考えて、試合の前に(茂呂選手を)選びました。簡単なゲームではないし、プレッシャーも感じたと思いますが、今日は翔也さんを選んで、いいプレーをしてくれたと思います。ただ選ぶのは難しかったです。
晃くんにリーグ優勝させてあげたい
●上村充哉|立川アスレティックFC
──試合を振り返って。
相手が名古屋で、負けてもしょうがないと思っている人も多いと思います。戦力には差があるし、お金も環境も差があります。でも選手がそこを言い訳にしたら、チームの差も個人の差も一生埋まりません。仮にチームが全員プロ契約になっても、そういう選手はいなくなると思います。だから、まずそういう気持ちはなくそうという話をしました。
来週は北九州との試合です。名古屋戦で起こるミスも、北九州戦で起こるミスも同じです。たとえば名古屋が相手で「切り替えよう」となるところで、他のチームだと「ダメ」と捉えてしまったり、いいプレーをした時に、名古屋だと「ナイス」となって、他のチームだと「やって当たり前」になりがちです。
自分たちにできることは限られているので、そこは気をつけながら、相手に関係なく自分たちができることを引き続きやりたいと思います。
──選手から見て前節はどうでしたか?
正直僕はうまくいっている感じはありませんでした。でもそのなかでチャンスはあったとは思います。ただトータルして、特に僕のセットは良くはなかったと思います。
──次節に向けてどのように意識を統一しているのか?
僕は、名古屋だから頑張るとか、他のチームだから手を抜くといったことは、まったくないと思っています。
ただ先ほども言ったように、同じミス、同じプレーだけど、良い悪いが変わってしまう。試合に向かう気持ちは変わらないけど、試合になった時にベンチも含めて、感情に波が出てしまうことは気をつけないといけないと思っています。
──皆本晃選手の引退発表についてどのように感じていますか?
ここで気持ちをまとめるのは難しいですが、遅かれ早かれ引退することは聞いていたので、心の準備はできていました。
今のチームが晃くんのために優勝したいと思っているのがすべてじゃないですかね。いいところを挙げたらキリがないですし、僕は話し始めたら止まらないので(笑)。
今いる選手たちが、晃くんにリーグ優勝させてあげたいと思ってやっている。それが晃くんのパーソナリティだと思います。
──最後観客席を煽るような仕草もありましたが、今日のホームの声援を受けて選手としてどんな気持ちでプレーしていましたか?
見に来ている人たちにとってはおもしろい試合だったと思います。今日初めて来てくれた人もいると思いますし、時間とお金を使ってきてくれているので、少しでも思い出に残るようにと思っていました。
あとは自分がきつかったので、みんなの応援で後押ししてもらおうと思って煽りました。その次のプレーで点が決まったので、僕のおかげです(笑)。
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