更新日時:2025.09.14
優勝の立役者が語るリーグタイトルへの責任。田淵広史「1試合1試合を決勝戦のように」【Fリーグカップ2025|インタビュー/名古屋】
PHOTO BY伊藤千梅
【Fリーグカップ2025 決勝戦】バルドラール浦安 3-3(PK2-3) 名古屋オーシャンズ(9月7日/バルドラール浦安アリーナ)
9月5日から7日にかけて、Fリーグカップ2025が開催され、名古屋オーシャンズが優勝。7大会連続となる通算12回目のリーグカップタイトルを掲げた。
準決勝から登場した名古屋は、湘南ベルマーレとの接戦をモノにすると、決勝ではバルドラール浦安と対戦。延長でも決着がつかずPK戦にもつれ込む激闘を制した。
2試合でフル出場した守護神・田淵広史は今大会優勝の立役者の一人となった。準決勝では攻撃力を生かして決勝ゴールを挙げると、決勝のPK戦では5本中3本を止める殊勲のセービングを披露。決勝戦後、田淵に率直な思いを聞くと、その言葉はすでに未来を向いていた。
取材=伊藤千梅
編集=柴山秀之
PK戦は止める自信しかなかった
──優勝おめでとうございます!率直な今の気持ちを聞かせてください。
まず、何があってもこのタイトルを獲りたいと思っていました。
吉川(智貴)さんが引退発表をしたのも理由の一つですし、今日はPK戦になりましたが、本当に勝てて良かったですね。
──タイトルを一つも逃したくなかった?
そうですね。もちろんリーグ戦も1試合1試合みんな大事にしていると思いますが、カップ戦でしっかりとタイトルを獲ることができて良かったです。
──準決勝と決勝を振り返って、どんな試合でしたか?
どちらもリーグ戦とは違い、負けたら終わりの試合で相手がどんな対策をしてくるかわからない状況でした。昨日の準決勝ではGK攻撃から2得点を挙げて勝利できたことは印象に残っています。
今日も苦しい展開でしたがPKで勝つことができました。
──結局、記録は田淵選手のゴールに?
わからないです(笑)。誰でもいいです。ゴールが決まり、試合に勝つことが一番なので。
──攻撃もでしたが、守備では何度もセービングを披露してすごい活躍でした。
実はセーブシーンは集中していてあまり覚えていないんです。1個1個のプレーが大事なので、止めたシーンは忘れて、次のことを考えるのが自分のプレースタイルというか、考え方ですね。
──セービングしてから吠えてるのも無意識ですか?
無意識ですね。振り返ったら「あ~あったね」って感じです(笑)。
──PK戦にはどんな気持ちで挑みましたか?
今回は延長戦も戦っていたので、みんな疲れていると思っていました。こういうPK戦は何回か経験はしたことがありましたが、自分らしく落ち着いて、絶対に止める自信しかもってなかったです。
──で、結果的に3回止めました。自己評価としてはどうですか?
僕は自分の良かったことは普段あまり考えません。「何がもっとできたのか」「何をすれば良かったか」と、これから改善すべき点しか考えていないですね。
──今大会で見つかった課題はありましたか?
失点については課題ですし、もっと声をかけないといけなかったと思っています。
それこそ木暮監督は「一人ひとりがリーダーにならないといけない」と言ってます。毎日の練習もそうですし、プレー中でも、一人ひとりがもっと自信をもってかないといけません。
──日本代表にも選出されましたが、今はどんな気持ちですか?
誰もが日本代表としてピッチに立ちたい気持ちはもっていると思います。みんなの気持ちも背負い、自分も責任をもって、日本代表として活躍したいです。
──20日から始まるアジアカップ予選に向けての意気込みをお願いします。
僕はU-20のアジア選手権に出場して優勝することができました。そこから代表候補にも何回か選ばれましたが、アジアの大会は6年ぶりになります。
代表としてプレーできることは本当にうれしいですし、全試合勝たないといけないとも感じています。
──最後に、名古屋オーシャンズでのリーグ後半戦はどのように戦っていきたいですか?
リーグ戦はまだまだ長いですし、代表から帰ってきた後には難しい試合があります。練習から修正して、1試合1試合を決勝戦のように大事に戦いたいと思っています。
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