更新日時:2025.09.16
【日本代表】高橋健介監督が清水和也・石田健太郎の“ダブルキャプテン”を選んだ理由。「彼らの世代が次の代表を背負ってほしい」
PHOTO BY伊藤千梅
日本代表は20日、22日、24日にAFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選の3連戦に臨む。今予選は、2024年8月に就任した高橋健介監督が率いる“健介ジャパン”にとって初のアジアの公式戦。カンボジア、マカオ、タジキスタンとの戦いに3連勝を収め、1月にインドネシアで行われるアジアカップ本戦出場を狙う。
いよいよ、始まる。2024年4月の衝撃的なW杯予選敗退後を受けて監督交代が行われた日本代表。木暮賢一郎前監督の下でコーチを務めていた高橋監督にとって、このアジアカップ予選はリスタートの場所であり、リベンジの場所でもある。
国内キャンプのトレーニング後、高橋監督に話を聞いた。
初招集・青大祐がチームにもたらすもの
──今回のトレーニングキャンプについて。
Fリーグカップからの合宿で5セッション、負荷のコントロールはしていますけど、どのセッションでもある一定レベルを求めてやったなかで、意欲的にやってくれたので、非常に良いトレーニングができました。かつ、自分たちのモデルを思い出す選手とインストール選手が協力し合いながら、より良いものが出来上がってきた感触もあるので、非常に満足しています。
──チーム全体としては浸透度、理解度はどのように感じていますか?
ベース、基準はありますけど、一番大事なのはそれぞれの強みをどう引き出すかだし、彼ら自身も選手間で自分の良さを引き出すために、味方の良さを生かす。味方の良さを使って、自分の良さを生かしてもらう。その発想でプレーしてほしいと最初に話をしたので、コミュニケーションも活発に起こっているかもしれません。自分も「こうやってくれ」「こう動いてくれ」というのはできるだけ少なくしながら、選択肢を与えるようなイメージでチームをつくっています。
──手応えを感じた部分、もう少し改善の必要を感じた部分は?
それぞれの局面、守備、攻撃、GK活用、セットプレーに関しても、まだまだ向上できる部分はたくさんあります。毎回のセッションの前にミーティングをして、トレーニングを振り返ったり、モデルの確認をしたり、(アジアカップ予選で対戦する)相手のスカウティングを少しずつ入れながらやってきています。細部をどんどん詰めていくことかなと思っています。
──初招集された立川アスレティックFCの青大祐選手については、この3日を見てどんな印象をもちましたか?
キャラクターとしても明るいですし、スッと馴染んで、ピッチ外でもストレスを感じずに(チームに)入れているのかなと思います。ピッチの中では、スペースに出る速さや、走ることができるメリットをチームに還元してくれているんじゃないかなと。
──別メニューで調整していたオリベイラ・アルトゥール選手のコンディションは本番には間に合う?
向こう(タジキスタン)に行って、できるかできないかが基準であるので。「できる」というのは、試合に参加できるではなく、100%の状態でプレーできるかどうか、その基準に達するかどうかで見て、難しければ違う選手に代わる可能性ももちながらやっています。
※9月12日、JFAからアルトゥールのコンディション不良による離脱と、伊集⿓⼆の追加招集がJFAから発表された。
──三宅悠斗、伊集龍二、全日程に帯同するGK上原拓也を含めたサポートメンバーについては?
3人はサポートメンバーであり、(離脱が発生した場合の)バックアップメンバーでもあります。
龍二については(日本代表)キャップもついていますし、1月27日〜2月4日に行ったインドネシア遠征でもプレーしていますし、前体制のアンダー代表でもやってきています。どんどんできることが増えて、膨らんでいって、ピッチでも示してくれたと思います。
悠斗はナショナルトレセン(JFA U-18フットサルタレント育成普及事業)の時にも見ているので、その時も高校(藤井学園寒川高等学校)からポッときて、フットサルってなんだろう?という選手だったところから見たら、本当にすごい……。
もうちょっと戦術的なところで難しさを抱えるかなと予想していましたが、柔軟に対応している。修さん(甲斐修侍コーチ)とか(小川)亮さんとか、町田のスタッフの方々が一生懸命、ゼロから教えてこういうふうになったのは感慨深いです。
本人にも言いましたが、サポートメンバーではなくて、将来的にはA代表に入って世界と戦うことをモチベーションに、結果を出して、ここに戻って来られるように頑張ってほしいと伝えました。
──町田出身の原田快と同じように物怖じしない性格ですよね。
そうですね。すごくかぶるところがあります(笑)。(原田とは)同級生で仲も良いみたいなので。
清水和也と石田健太郎は“ダブルキャプテン”
──清水和也選手と石田健太郎選手がキャプテンを務めるとのことですが、どのような思いで任せていますか。
僕の体制になってからは2人にキャプテンをお願いしています。彼らの世代が次の代表を背負っていかないといけないし、彼らもそういう覚悟をもってここに来ています。
どちらも代表歴は長いですし、特に和也なんかは若い頃から代表に入って、良い部分、悪い部分を見て、ここにいるので。2人を選んだのはキャラクターが違うので、それが良いケミストリー(化学反応)になって、チームがより良くなればいいなと。
──ダブルキャプテンですか?
ダブルキャプテンです。
──どんな役割分担をしていますか?
健太郎は戦術的に理解も早いですし、浦安で(高橋監督は2016〜2017シーズンに浦安監督を務めた)やっていたことも含めて、ピッチ内のところで背中で見せることができます。和也は言葉での発信もできるし、苦しい時にポジティブな雰囲気をつくれる選手だと思っています。
背中で引っ張る健太郎と、言葉と雰囲気で引っ張る和也という2人は、良い関係性なんじゃないかなと。締めの円陣ですか? 2人ともしゃべっています。2人がしゃべったら誰かに指名して。昨日は龍二だったかな……大したことを話さなくて、もうちょっとなんか言えよという雰囲気になりましたが(笑)。
──ミゲル・ロドリゴ監督の時も木暮賢一郎・小宮山友祐のダブルキャプテンでしたね。
そういうイメージです。木暮さん、小宮山さんともキャラクターは違いますが。
──アジアカップ予選に向かっていくなかで、本大会前にはウズベキスタン代表との国際親善試合も組んでいますが、どのようなプランを描いていますか?
ウズベキスタンとタジキスタンはかなり似ているチームなので、ウズベキスタンにしっかりスカウティングして挑めば、タジキスタンとの試合につながっていくと感じています。(国際親善試合の)ウズベキスタン戦から勝ちにいく、1個1個、勝っていくということです。
3つのチーム(カンボジア、マカオ、タジキスタン)のスカウティングはできているので、そこはこの3日間でもある程度トレーニングしてきたつもりなので、それをしっかり出せばいいかなと。
あとは大事なのはコンディションです。今回コンディショニングコーチとして内部(亮)さんに入ってもらって。昨日はピッチに入る前にジムでトレーニングをしていますが、プロフェッショナルな方が来てくれて調整してもらって、本番に良い状態で臨めるんじゃないかという手応えはあります。
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