更新日時:2025.12.03
日本女子代表、優勝候補ブラジルに1-6で大敗 史上初開催のW杯はベスト8で散る 世界一に届かず選手の目に涙【フットサル日本女子代表】

PHOTO BY伊藤千梅
【FIFAフットサル女子ワールドカップ フィリピン2025】日本 1-6 ブラジル(日本時間12月2日/フィリスポーツ・アリーナ)
12月2日、FIFAフットサル女子ワールドカップ フィリピン2025に出場中のフットサル日本女子代表は準々決勝を戦い、ブラジル女子代表に1-6で敗戦。この結果、史上初のW杯に臨んだ日本はベスト8で敗退となった。

世界最強に一致報いるも及ばず

FIFAランキング5位の日本は、準々決勝で同1位のブラジルと対戦。先発はグループステージ3試合とメンバーを1人だけ入れ替え、GK井上ねね、FPは江口未珂、中村みづき、追野沙羅、江川涼の5人でスタートした。
開始早々、ブラジルにゴール前のチャンスをつくられたものの、江口が滑り込んで相手のシュートを防いで窮地を脱する。その後もブラジルのピヴォを使った攻撃で押し込まれるも、強度の高い守備で食い下がった。
日本は2分半でセットを交代。中村を残して伊藤果穂、岩崎裕加、高橋京花がピッチに入った。しかし、この時間でも日本は押し返すことができない。すると、試合が動く。4分、右サイドのエミリーがアナ・ルイザにピヴォ当てすると、その落としを左足で蹴り込まれ先制点を許した。
日本は5分から江口未珂、池内天紀、追野沙羅、江川涼のセットを送り込むも戦況を打開できない。その後も、なかなか相手陣内でプレーする時間をつくれずにいると、9分に再び失点。日本の右サイドからアマンディーニャのドリブルで崩され、最後は中央のアナ・ルイザにゴールを決められ2点を追いかける展開となった。
ここで日本はタイムアウトを取ると、ピッチに伊藤、宮原ゆかり、筏井りさ、松本直美を投入。バルドラール浦安ラス・ボニータスでプレーする4人による“浦安セット”でゴールをこじ開けにかかった。
しかし11分、右サイドからまたもエミリーに強烈なミドルを決められ3失点目を喫すると、13分には左サイドでデボラ・ヴァニンがドリブル突破してシュートを放ち、GK井上の股下を抜いて4失点目。直後の13分、日本は江川がゴール前に抜け出して最初の決定機を迎えたものの、これは相手GKに防がれてしまった。

ここで日本はピッチに江口、追野、江川、網城安奈を投入。SWHレディース西宮でプレーする選手を軸にした“SWHセット”に望みを託した。それでも流れを引き戻すことができない。14分、ゴール前を崩され、日本は体を張って守ったものの最後はルアナ・ロドリゲスに押し込まれ、痛恨の5失点目を喫した。
第1ピリオドのうちに1点でも返しておきたい日本は18分から網城をGKと交代してパワープレーを開始。岩崎、追野、中村、筏井の5人での攻略を狙うも、思うようにパワープレーに持ち込ませてもらえず。日本は戦況に応じてあらゆる対抗策を講じたものの、ことごとくそれを封じられる形で試合を折り返した。

第1ピリオドはブラジルが30本のシュートを放ち、日本はわずかに4本。そのうち、枠内は相手の12本に対して日本は1本と、圧倒的な実力を見せつけられた。迎えた第2ピリオド、日本は江川、池内、追野、江口のセットでスタート。これまでグループステージで戦ったセットをベースに反撃を狙った。
しかし、ゴールを奪えないまま10分が経過すると、日本は再び網城をGKと交代してパワープレーを開始。さらに、本職GKには須藤優理亜が入り、日本はこの試合、登録全選手がピッチに立った。まさに総力戦で挑み、第2ピリオドは果敢にゴールに迫ったものの、ブラジルには及ばず。36分にパワープレーから中村が一矢報いる一撃を決めたものの(公式記録ではオウンゴール)、最後に1点を加えられ試合は1-6でタイムアップを迎えた。

この結果、ベスト8敗退が決定。史上初開催のW杯で世界一をつかみ取ることができず、試合直後にはエース・江川が涙を流すと、37歳の最年長ピヴォ・筏井も涙ながらにフラッシュインタビューに受け答えた。
なお、勝利したブラジルは5日、モロッコを破ったスペイン女子代表と準決勝で対戦する。

















