更新日時:2026.01.07
【記者会見全文掲載】日本代表は、アジアカップで優勝できるのか?アルトゥール不在&吉川智貴の招集……高橋健介監督が語る「王座奪還=最高の景色」に到達するためのメンバー選考とは

PHOTO BY伊藤千梅
1月7日、日本サッカー協会はAFCフットサルアジアカップインドネシア2026に出場するフットサル日本代表のメンバーを発表。高橋健介監督がオンライン記者会見に出席した。
質疑応答を含めた全文を掲載する。
14名は戦略的・総合的に選考した
●フットサル日本代表|高橋健介監督
本日はお集まりいただきありがとうございます。最初に4つのテーマで話をさせていただきます。
1つ目はアジアカップの目標、2つ目はどんなチームのスタイルでここまで取り組んできたのか、3つ目はメンバー選考、4つ目はサポートメンバーについてお話しいたします。
最初のアジアカップの目標ですが、一つしかないと思っています。「アジアカップで優勝を目指す」。それ以外にはありません。その実現のために1戦1戦を大切にして、一歩ずつプランを進めていきたいと思います。
2022年、2024年のアジアカップで初戦を落としている経験があるので、重要な初戦で勝ち点3を取ることが大事なので、いい準備をしていきます。
2つ目のチームのスタイルは、代表チームのアイデンティティを体現しながら勝利するチームを目指してきました。具体的にはサッカーの代表でも掲げている、誇り、責任、覚悟、礼節、団結。これをピッチ内外で示し続けることが規律があるチームだと捉え、毎回の活動の前に話をして取り組んできました。
選手自身が主体的に動きながら、組織的に戦い、この5つの言葉を体現しながら、最終的には規律で勝ち取っていくチームを目指したいと思います。
メンバー選考については、優勝という目標から逆算して、戦略的・総合的に判断しました。リーグ、代表でのパフォーマンス、コンディション、チームでの役割、対戦相手、大会で起こりうる状況を想定して選びました。
最後にサポートメンバーは、若い選手が3人。田中晃輝の年齢は少し上ですが、ここまでリーグでのパフォーマンスを含め、一度、手元で見ておきたい選手でした。アジアで戦い、準備する上でチームにとってプラスになる存在だと思っています。この5人の選手は今回はサポートプレーヤーですが、協力してもらうお願いをしました。
彼らもチームを構成する重要な一員ですので、トレーニングの質と強度、事前の準備の質を高めてもらうために非常に重要な存在であると同時に、将来の日本代表になっていく上でも重要な選手たちだと考えて招集しています。
こういった形で準備をして、目標である優勝を勝ち取れるように頑張りたいと思います。

メンバー構成を変えた12月の遠征の意図は?
──2025年12月のクロアチア遠征と今回のメンバーはかなり異なっていますが、そこで得たことと、この先の合宿、本戦へのプロセスをお聞かせください。
直近のメンバー構成だけを見れば今回のメンバーとは違うかもしれないですが、昨年1月から3月にパラグアイの遠征をして、そこから9月のアジアカップ一次予選、10月の国内親善試合、12月のクロアチア遠征という、全体の強化プランを踏まえて遂行したものです。バックアップメンバーを含め、不測の事態が起きても目標達成ができるように準備してきたつもりです。
クロアチア遠征では、ジョーカー的な存在を見つけられました。そこまでプレー時間を多くもてていなかった選手が活躍できたことが直近の成果になります。
これまでの活動は、準備期間をそれほど長くできていなかったので、今大会に向けては、まず国内のフェーズでよりチーム化していくことを目的に準備をしていきます。インドネシアに入った後にはインドネシアとのトレーニングマッチがありますので、大会の中で起こりうるシチュエーションを実際に試して、もちろん勝ちを求め、勝者のメンタリティを獲得しながら、本番に向かっていきたいと思っています。
──クロアチア遠征からメンバー編成が変わったことは、主軸の選手たちの試合機会が減っているとも考えられます。そのあたりはどのように捉えていますか?
そのリスクがあることは理解していました。2025年の1月から12月の間に何回の活動があり、大会までに何試合を積めるかはわかっていたので、どのように強化を進めるかということです。今回、選んだ選手たちの経験が(クロアチア遠征での)3試合減るリスクと、(アジアカップの準備期間に)不測の事態が起こった時に、バックアップになる選手たちを育てるというか、チームの中に入れていくことが必要だと感じていました。
前回大会の直前で中心選手が怪我でいなくなってしまったこともあったので、そこも含めて最初の強化プランのなかで、バックアップメンバーを含めてチームとしてプレーできる準備を進める必要があると私自身は考えていました。
主軸の選手が3試合出られないリスクをとって、この選択をしました。その分、何が起きても目標に向かっていける、信頼できる選手たちが、ラージリストも含めてそろえられたと思います。
──これまで招集機会が少なかったクロアチア遠征のメンバーにはどんな話をしましたか?
選手たち自身も立ち位置を理解した上で、結果を出すことでアジアカップのメンバーに入るチャンスがあると思って活動してくれていました。
それに、2026年でプロジェクトが終わるわけではありません。2026年の大会から、(ワールドカップが開催される)2028年につなげていくこと。日本代表としてアイデンティティをもってプレーする機会をいろんな選手がもって、各クラブに戻って高めていくことは、決してマイナスではないと感じています。
──もしも怪我人が出た場合は、サポートメンバーからの入れ替えになりますか?
それは、また別の話になります。
──急成長中の伊集龍二選手を重要な大会で選んだ理由は?
相手の大きなピヴォに対抗する戦略上、必要だということ。リーグでのパフォーマンス。首位を走る名古屋オーシャンズの1stセットの主軸として活躍していること。そういったすごくシンプルなパフォーマンスに対する評価です。

──オリベイラ・アルトゥール選手が選ばれてないのはコンディション面の問題ですか?
今回メンバーに入っていない選手の情報に関しては、クラブからの発信がない以上、私から彼の情報を出すことは難しい状況です。またアルトゥールについては、私が監督になってからの代表活動で経験したのは2試合だけになります。今回選んだ14人と、バックアップメンバーの上原拓也、そしてサポートメンバーの力が必要だと判断しました。
“最高の景色”に到達する
──グループステージで対戦する相手についての分析は?
オーストラリアは体のサイズが大きい。それは3チームに共通していますけども、オーストラリア、ウズベキスタン、タジキスタンも大きいですし、ダイレクトに攻撃をしてくるところも共通していると思います。
直近でも、アジアカップ予選前にウズベキスタンと親善試合をして、タジキスタンは予選で対戦しているので分析も済んでいますし、準備はある程度できています。
オーストラリアは、2024年のアジアカップ前にトレーニングマッチを行っていますし、直近のインドネシアで観客15000人を集めた試合ももちろん見ています。
それぞれ、体が大きくてダイレクトにプレーをしてくるチームという印象です。
──似たようなチームと対戦できることはメリットですか?
チームごとに戦略は変わるので、どのタイプがきても乗り越えていけるようにプランを練って、選手を選んでいます。アジアにおいては同じように大きなピヴォがいて、そこにボールを入れてくることが多いですし、日本と戦う上でブロックを敷いてくることも考えられるので、そういったものにも対応できるように想定して準備していきたいと思います。
──この大会で勝たないと次のW杯予選のポット分けにも影響が出てくると思います。優勝を達成するためにも、グループステージを全勝で突破する感覚をもてていますか?
はい、もてています。
──優勝に向けて準備をしてきて、チーム一丸となれている感覚はありますか?
リーグやクラブを含めて協力をしながら進めていくものなので、そこはしっかりと一丸となってやれていると私自身は信じています。
これまでの招集に関して、クロアチア遠征で(主軸を)選べていないと捉えられている人もいると思いますが、あくまで1月から12月のプランのなかで決断しているものです。
リスクがあることもわかった上で、多くの選手にチャンス、機会を与えて、代表チームのユニットを膨らませてきました。
前回大会の直前で起こったことは自分自身も経験したので、不測の事態にどう対応するかという視点で準備をしてきました。ここからより一丸となって戦っていかないと到達できる目標ではないと思います。手を取り合いながらやれたら、選手の質を含めて優勝できると自信をもっているので、勇気をもって進んでいきたいです。
──今回の大会がW杯出場権がかかったアジアカップだったとしても、1カ月前の代表活動で主軸の選手を外していましたか?
あくまで2025年1月から12月までのトータルのプランです。9月のアジアカップ予選が急遽変更されたこともあります。それに伴い(ブラジルとの)親善試合が10月に入ったこともあり、今回の大会1カ月前(の12月のタイミング)でしかラージリストにいるメンバーを選ぶことができなかったという状況です。2028年のアジアカップが開催される1カ月前でも同じようにするかは、全体のプランを見ながら決断をしないといけないと思います。
──吉川智貴選手を招集しました。10月のブラジル代表戦の際に、今シーズン限りで現役引退を発表した直後に招集したことで監督も思いを話していました。今回の招集にあたって、吉川選手と話したことはありますか?
いえ、直接は話していません。10月の親善試合で招集した際に、国内の試合の“記念招集”ではないと話して、智貴からも「コンディション、パフォーマンスが良くなければ切ってください」とは言われていましたし、自分もそのつもりで見てきました。
これまで代表に値するパフォーマンスを見せていますし、彼がこれまで取り組んできたプロセスや姿勢を含め、今、代表チームで求めているアイデンティティをピッチ内外で体現し続けている選手です。大会の中では間違いなく苦しい時間があるからこそ、そういった選手の力が必要になると思って呼んでいます。

──石井想一郎選手や行木詩心優選手といった若手をサポートメンバーで選んだ理由は?
片山聖も含めて、まだ若い選手、今後日本の代表を担ってほしい選手という期待を込めて呼んでいます。
──どういったプレーで将来性を期待していますか?
行木や石井に関してはU-18代表で一緒にやっていますし、片山は以前のナショナルトレセンでも一緒に活動しています。取り組む姿勢を含めて、このタイミングで日本のトップ選手たちと寝食を共にするなかで、より一層、代表のアイデンティティや学びを得てもらえれば、彼らの質は素晴らしいので、それを高めていくことにつながると捉えています。
また、対戦相手の準備をする時に、体の強いピヴォとして石井はマッチします。大会で優勝するための準備と、将来的に代表を強くするためという2つの側面から招集しています。
──本石猛裕選手は今シーズンからフィクソでも活躍していますが、代表ではそこでの起用も想定していますか?
彼が一番の強みを出せるのはピヴォで、相手ゴール前の仕事だと思っています。
ただ、怪我や退場なども想定しないといけないですから、不測の事態には本石がフィクソでプレーする選択肢をもてる活躍をしていることはありがたいですね。ベースとしては、相手のゴール前で脅威になることを求めています。
──改めて今大会に向けた意気込みを聞かせてください。
前回大会は予選で負けてしまい、その時の選手の姿はずっと自分のなかに残っています。そこに選ばれなかった選手たちの思いも、話を聞いてここまで活動してきました。あの時のメンバーの想いを選手たちには常に伝えてきたつもりですし、そういったベテランの選手たちとは、親善試合の前にも話をする機会をつくりました。今の代表チームが優勝する姿をみんなが見たいと思ってくれていますし、応援してくれていると言葉で聞くことができたので、そういった想いも背負って、覚悟をもって大会に挑む。
ここで負けると2028年のW杯予選のポットの関係も含めて、難しい状況に追い込まれます。前回の思いを払拭することや、2028年のW杯に出て結果を出すためにも、ここで結果を出さないといけないという覚悟、責任をもっていかないと思っています。
SAMURAI BLUEやなでしこジャパン、全てのカテゴリーの日本代表チームは「夢への勇気を。COURAGE for DREAM」というスローガンを掲げていますが、それをよく選手にも見せて話をしています。どんなに難しい状況でも、勇気をもって一歩を踏み出すことが我々にとって重要だと思っているので、難しい状況に対して規律をもって立ち向かっていく。
その勇気は、多くのサポーターの声が大きな力になります。現地や日本から一緒に戦ってもらえたらありがたいなと思います。そしてサッカーの代表チームがW杯に向けて「最高の景色を2026」と掲げているように、我々も同じ思いですので、サポーターのみなさん、関わってくれているすべてのみなさんと、優勝という“最高の景色”に到達できるように一緒に戦ってもらえたらと思います。
▼ 関連リンク ▼
- 【日本代表】AFC フットサルアジアカップ インドネシア 2026 完全ガイド|試合日程・結果・順位表|試合会場【最新情報】
- 【日本代表】アジアカップ出場メンバーが決定!名古屋から最多5名を含む14名で2024年の予選敗退の雪辱&2大会ぶり王座奪還へ
- 日本代表、アジアカップ予選でタジキスタンに3-1で逆転勝利!2024W杯出場を阻まれた“因縁の敵”にリベンジ 3連勝で18大会連続の本大会出場が決定【フットサル日本代表】
- 日本代表、ウズベキスタンに4-1で完勝!内村俊太が2得点、“仮想タジキスタン”に勝ちきり、アジアカップ予選に向けて準備万端【フットサル日本代表】
- 【日本代表】「若いうちに世界に出るべき」“海外組”内田隼太がブラジル戦で再確認したもの
▼ 関連記事 ▼
-
2026.01.08














