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作成日時:2026.08.08
更新日時:2026.08.08

“フィクソ定着”で真価を示す28歳。プロクラブを渡り歩いた超万能型選手、鬼塚祥慶の覚悟「必要だと思ってもらえる以上、その期待を裏切らない」【F1第10節|インタビュー/しながわ】

PHOTO BY本田好伸

【メットライフ生命Fリーグ2026-27 ディビジョン1】しながわシティ 7-3 バルドラール浦安(8月3日/品川区立総合体育館)

8月3日、メットライフ生命Fリーグ2026-27シーズン第10節、しながわシティとバルドラール浦安が対戦。第1ピリオドは2-2と拮抗したものの、第2ピリオドにしながわが先行すると、終盤はパワープレー返しも決まってリードを広げ、最終スコア7-2でホームチームが勝利を収めた。

この試合でチームの7点目を決めた鬼塚祥慶は今シーズン、バサジィ大分から加入した。2024-2025シーズンに名古屋オーシャンズを契約満了となり、新天地で存在感を示し、しながわのオファーを勝ち取った。Fリーグ制覇を見据えるクラブのキーマンとして、鬼塚に求められる役割は多岐にわたる。今シーズンもあらゆるメンバー、セット、複数のポジションを任されながらオールラウンダーとして気を吐いてきた。

しかし、前節の名古屋戦、今節の浦安戦では明確にフィクソとしてプレー。その佇まいには風格が漂い、彼の真価が示されているようだった。どこか清々しさを感じさせる表情を見せる鬼塚に、試合後、話を聞いた。

取材・文=本田好伸

 

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最後に笑って終わることが目標

──試合を振り返っていかがですか?

チームとしては、最低限、勝てたことが良かったと思います。ただ、個人的には2-0で勝っているところで不甲斐ないエラーから失点して流れを崩してしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。

後半に自分もゴールを決められたことは良かったのですが、チームを苦しめてしまったと思っています。先週(の名古屋戦)は負けてしまいましたけど、今シーズンのなかではかなり良いパフォーマンスができたなかで、そこから自分のプレーの質を落としてしまったことは、修正しないといけないと感じています。次はカップ戦になりますが、そこまでに自分がどういった振る舞いをできるかが大事になります。練習から意識してプレーしていけたらと思います。

──まさに前節は鬼塚選手の存在感が際立っていました。かなりハマってきたというか。

ここまでは良くも悪くもポジションが定まっていなかったところもあります。2ndセットや3rdセットだったりしましたけど、1stセットのフィクソという位置をつかみ取れたことは、役割がはっきりしてプレーがやりやすくなりました。

セット間でも話をしながら、(カイオ選手やカイオ・ペドロ選手とは)ポルトガル語も使いながらコミュニケーションを取って、自分らしさを出せているのかなと思います。セットプレーで得点につなげられたりするところも一つですね。そこはチームメートにすごく感謝しています。

──フィクソに定着してきた。

自分のなかでは、やっとはっきりした部分はあります。練習中もいろいろなセットやポジションで、それに合わせながらやってきていますけど、ポジションが定まることでのやりやすさはあります。もちろん、そうではなくても自分の良さを出していかないといけないですし、名古屋でも大分でもいろんなポジションをやってきたので、それは自分の特徴でもあります。ただ、ポジションが明確になることで迷いなくプレーできるというのはプラスの影響が出ているかなと感じています。

──手応えもある。

そうですね。ピヴォに対してどういう守備をするかは、自分の(大きくはない)サイズ感なりの戦い方がありますし、そこは仲間のサポートがあってのものです。自分としてもプレーでチームを助けられたらと思っています。

──監督から守備面で求められることもありますか?

一発で飛び込まないことだったり、サイズ感のあるピヴォに反転させないことだったり、優先順位などは話をされます。そこは試合の流れを見ながら選択できたらと思っています。やはりインターセプトを狙って、ボールを奪って攻撃につなげられたらいいですよね。今日も一度そのプレーができて、結果的にシュートをふかしてしまいましたが、得点できたらチームも勢いに乗ると思いますし、そこは自分の良さであり、求められているので、どんどん出していきたいと思います。

──アラの攻撃的な選手というイメージもありましたが、フィクソは違和感なくやれているのでしょうか。

自分としては、ディフェンス面は常に課題としてありました。今シーズンはよりフィクソで出るようになって、今日はあまり良くなかったですけど、成長している実感もあります。そこを継続して出せたらより良くなると感じています。

──ポジションが後ろになることで、失点への責任も大きく感じるように?

責任という部分は、間違いなく大きくなっています。(ピレス・)イゴールがかなり止めてくれていますけど、そこをサポートしないといけません。自分たちのセットはより攻撃的である分、自分がどうバランスを取れるかも重要な役割だと思います。しっかりと後ろでゲームを締められるようにやっていけたらと考えています。

──ただ、やはり鬼塚選手の攻撃性も強く感じます。チーム自体がそうでもありますが、ゴールを決めて会場が盛り上がって、それでまたチームも勢いづいていく空気感は、鬼塚選手ともマッチしているのではないでしょうか。

そうですね。自分もすごく楽しめていますし、苦しい局面でもそのメンタリティは大事だなと感じています。それに、自分がミスをしてもチームメートがすごく励ましてくれます(笑)。ダニエル(サカイ・ダニエル・ユウジ)なんかも、ベンチから「もっとやってこい!」と鼓舞してくれます。すごくありがたい存在です。そこでいいプレーが出たらさらに盛り上げてくれますし、自分としても乗っていくことができます。雰囲気づくりはすごくいいなと感じています。そこはこのチームの良さですし、苦しい時でもいかに粘り強く戦えるかが大事なので、これからもチームみんなでやっていけたらと思います。

──ところで、ユニフォームの色にはもう慣れましたか?

どう思います(笑)?

──全く違和感なく溶け込んでいるなと。

自分もそうなんです(笑)。今季から加入して「あれ、本当に初めましてなのかな」という感覚でした。アンダー世代の代表や、名古屋で一緒だった選手なども多いので、めちゃくちゃやりやすい部分もあります。僕は海外でもやっていた分、ブラジル国籍の選手たちともコミュニケーションを取れますし、馴染みやすかったというのはあると思います。

──プロの環境でプレーを続けてきた鬼塚選手にとって、しながわはどんなチームですか?

本当に物事をはっきりと言えるメンバーがそろっています。悪い時に悪いと言い合えることは、プロフェッショナルだなと感じています。一つずつ積み重ねていくためにはそういったところが結果へとつながる大事な部分だと思います。先ほどお話しした雰囲気づくりも含めて、本当にいいチームですね。

──改めて、このチームで何を成し遂げたいですか?

クラブの目標はもちろんタイトルを獲ることですし、優勝を目指してやっています。そのために自分も結果を出して、チームを引っ張っていきたい。現実的には、名古屋と勝ち点を離されてしまい、その名古屋に前節は敗れてしまいましたが、本当に1勝1勝と積み重ねていくしかありません。このままでは他力になってしまうので、1試合1試合をしっかりと戦って、最後に笑って終わることが目標です。すべての試合で勝ちにこだわっていけたらと思っています。

──名古屋を見返したいといった思いも?

それがないと言えば嘘になります。ただ、それだけを考えているわけではありません。この舞台で戦っている以上、タイトルは絶対的な目標ですし、それを目指せるチームにいるからこそ、そのために戦うだけです。今日は負けてもおかしくないなかでチームメートに助けてもらいましたけど、そうやって仲間の力も借りながらタイトルに向かいたいです。

──鬼塚選手がピッチ上で放つオーラや存在感は日に日に増している印象を受けます。「鬼塚祥慶」という存在をもっと示したいといった思いもありますか?

もちろん、自分の存在感をもっと示していきたいと思っています。このセットは攻撃力が高いですし、自分は後ろからゴール前に絡むシーンがまだ多くはないですけど、自分の持ち味をしっかりと出して、ゴールやアシストも増やしていきたいですね。

──内に秘めた闘志を感じますし、チームに不可欠な選手だなと。

自分はまだまだだと思っています。だからこそ、謙虚にやっていかないと。でも、そう言っていただけるのはすごくありがたいですし、自信をもってやることも大事です。チームに必要だと思ってもらえる以上は、その期待を裏切らないプレーをしたいですし、しっかりと責任をもって、タイトルに向かっていけるようにやるだけです。

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