更新日時:2026.10.10
FP顔負け!町田GKビゴージの“高速セルフカウンター”は何がすごいのか?【福田悠のフットサル小噺】

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日頃よりSALをご覧いただいている皆さんこんにちは!FリーグTV実況の福田悠です!この度、SALにて不定期連載のフットサルコラムを執筆させていただくことになりました!
週末に実況したF1の試合の振り返りや取材時のこぼれ話、実況中に話しきれなかったエピソードから昔話に至るまで、フットサルを切り口にフリーテーマで色々と書き綴っていこうと思います。「不定期」と書いてはいますが、1~2週間に1本は掲載していきますのでどうぞよろしくお願いします!
ということで早速第1回目のコラム、行きたいと思います!記念すべき初回のテーマは、前節(F1第14節)で実況を担当した名古屋オーシャンズ×ペスカドーラ町田より、「GKとは思えないビゴージの運び出し」です!
名古屋オーシャンズ vs ペスカドーラ町田(Fリーグ公式動画配信サービス『FリーグTV』)
注目の首位決戦!町田のGKビゴージが攻守に躍動!
うん、初回にしては少々マニアックだな!けどGK大好きな私らしいテーマですし、ぜひ書きたいと思っていた題材なので、思い切ってこれで行きたいと思います(笑)!
皆さん、10月4日(日)に開催されたF1の1位2位対決はご覧になりましたか?第13節を終えた時点で勝ち点36の名古屋と30の町田が名古屋のホーム・千種スポーツセンターで激突しました。
試合は立ち上がりからシックスポイントマッチらしい緊張感漲(みなぎ)る展開に。そんななか迎えた第1ピリオド16分、中村心之佑選手のていねいな落としから雲切啓太選手が豪快に打ち抜いて2位町田が先制!第2ピリオドにも2点を追加し一時3-0とリードを奪った町田が、名古屋の反撃を何とか2点に抑え、見事3-2のアウェイ戦勝利を収めました。

「流石は上位対決!」という素晴らしいゲームだったので触れたい選手はたくさんいるのですが、なかでも町田のGKビゴージ選手はこの日出色の出来でしたね!彼の再三のビッグセーブがなければ全く違った展開になっていたことでしょう。
ビゴージ選手といえば、対シュートの鋭い反応はもちろんのこと、足下の技術がとにかく高い!町田もF1の多くのチーム同様GK活用を攻撃のプレーモデルに組み込んでいるので、ビゴージ選手は試合中何度も相手陣内に侵入していきます。特に右サイドから右足で蹴り込む強烈なシュートは彼の十八番!今回の名古屋戦でも、その攻撃参加が随所に効いていました。
GK離れした効果的な「運び」
ビゴージ選手の攻撃時のプレーのなかでも、特に際立っていると感じるのがそのドリブルです。「止める」「蹴る」だけでなく、「運ぶ」の質がとにかく高いんですよね。

GKがドリブルで持ち出す際に最も重要なのは、「絶対にボールを失わないこと!」です。GK自ら上がって数的優位をつくれる反面、当然ながら自陣ゴールはガラ空きになります。持ち上がる途中でボールを奪われれば、いくら味方のFPがカバーしてくれたとしても決定的なピンチになる可能性が非常に高い。従って、GKがドリブルで持ち上がる際はFPのそれと比べて遥かに強いプレッシャーにさらされています。
そのなかでスピードを上げてボールを運ぶのは本来容易ではないはずなのですが、ビゴージ選手のドリブルの精度・持ち上がりのスピードはFPのそれと比べても遜色がなく、時には大胆にボールを前にさらすことも躊躇いません。その瞬間の敵・味方の配置を正確に把握し、相手DFが奪いに来られないと見るや、大きなタッチで前方のスペースに蹴り出してスピードを上げます。カウンターの局面ではこの「躊躇なきスピードアップ」が相手の脅威となります。
そして個人的に特に「それは凄すぎるやろ!」と感じるのが、カウンターのオープニングです。エリア内でボールをキャッチしたあと、自ら前方に転がしてドリブルで運んでいくあのプレー。現代フットサルでは決して珍しくありませんが、ビゴージ選手はボールを転がすまでの判断がとにかく早い!!本当にね、異常と言えるほど早いのですよ。キャッチしたボールを即座に前に落としてスピードアップ。あっという間にハーフウェイライン付近まで運んでしまいます。
上記した通り、GK自ら運ぶプレーは大きなリスクも伴うので、外から見たら「これは(GKが)自分で運べるでしょ!」と見える状況であったとしても、GK本人としてはコンマ数秒躊躇することも珍しくないんですよね。それが普通ですし、決して悪いことではありません。安全第一でプレーするのがGKの大原則ですから、0.5秒ほどの状況確認の上、それでも確実に運び出せるのであればドリブルすれば良い。これでも十分相手の脅威となります。
ところが!ビゴージ選手はキャッチした次の瞬間にはもう運び出している。ボールを確保する前から周囲の状況を正確に把握していなければできない(把握せずにやればただの博打になってしまう)プレーですし、自らの足下の技術に絶対の自信があるからこそ可能になるのだと思います。
増え続ける役割。トップリーグのゴレイロは最早超人の域
前述の名古屋戦でも、ビゴージ選手はこの高速セルフカウンターを何度も発動していました。特に素晴らしかったのが第1ピリオド11分33秒。キックインから自陣右サイドに出てきた縦パスをエリア一杯まで出てキャッチし、そこから迷わず運んでピッチ中央をドリブル。清水和也選手が堪らずファウルで止めるかたちとなったシーンです。
実況中にも触れましたが、清水選手に寄せられながらも体を入れてボールをプロテクトするプレーは正にFP顔負け。ファウルで止められはしたものの、この一連のプレーで名古屋は5ファウルとなりました。その後第2PKを獲得するには至らなかったものの、第1ピリオドのうちに追いつきたかった名古屋を牽制する意味でも、実に効果的なワンプレーだったと思います。
他にも第1ピリオド8分23秒、自陣中央やや左でパスを受けた雲切選手が相手DFに寄せられた際、瞬時に右に開いてサポートした場面や、第2ピリオド2分59秒のセルフカウンターなど、ビゴージ選手の対シュート以外での関わりも1試合を通じて実に効いていたなと思います。
もちろん、GKにとって最も重要なのはゴールを守ることです。現にビゴージ選手自身も、大前提として対名古屋戦でもシュート対応において素晴らしい安定感を発揮していました。その上で、プラスαの武器として上記した強みを持っている。名古屋のゴール前に君臨した現役日本代表GK・田淵広史選手もビゴージ選手同様圧倒的な存在感を放っていましたが、「F1上位クラブの守護神ともなると最早このレベルが基準になってきているのか……」と、改めて実感させられた一戦でした。

現代フットサルはGKに求められる要素がどんどん増え続けていますが、それをあれだけの高水準で体現してしまうトップリーグの選手たちはいよいよ超人の域ですね。そんな超人たちが見せるギリギリの攻防、勝敗を分けるかもしれない瞬時の「神判断」にもぜひご注目いただけたらと思います。
サラッと書くつもりが結局2,000字超え(笑)!最後までお読みいただいた皆さん、ありがとうございました!こんな感じのコラムを気ままに掲載していきます!X等でもぜひご感想を寄せてください(*^^)v第2回目以降もどうぞよろしくお願いいたします!
<著者プロフィール>
福田悠(ふくだ・ゆう)
1985年11月29日生まれ。神奈川県相模原市出身。法政大学社会学部卒業後、文具メーカー勤務を経て2012年にフリーライターに転身。フットサル、サッカー、芸能を中心に多数の雑誌やWEBメディアに寄稿している。2019年、ABEMA Fリーグ中継の実況に起用されたのを機に本格的にMC業をスタート。以降ABEMA、FリーグTV、DAZN等で数多くのフットサルの実況を担当してきた。2022年からは地元クラブであるサッカーJ3・SC相模原のスタジアムMCも務める。
フットサルとの出会いは2004年、大学入学時にフットサルサークルに加入したのがきっかけ。その後競技力向上を目指し、2006年に神奈川県フットサルリーグ2部(当時)のアズヴェール藤沢に加入。Fリーグが誕生した翌2007年、当時湘南ベルマーレでプレーしていた大地悟氏がアズヴェールのコーチに就任して以降多大な影響を受け、フットサルの虜になる。2014年を最後に競技フットサルから離れていたが、2022年、実況の精度向上を目的に神奈川県フットサルリーグ1部のHONUで競技再開。現在は東京都フットサルリーグ2部・DREAM futsal parkでプレーを続ける。ポジションはゴレイロ(GK)。
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