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作成日時:2019.08.02
更新日時:2019.08.05

森岡薫はなぜ、40歳でトップであり続けられるのか? キングが自身のカラダのすべてを語る──/中編

PHOTO BY軍記ひろし

言わずとしれたキング・オブ・Fリーグ、森岡薫。10年以上もトップオブトップでプレーを続け、所属クラブや日本代表で数々のタイトルを獲得してきた。

アスリートの世界では、どの競技であっても逃れられない壁がある。「年齢」だ。しかし森岡は、40歳になった今も、衰えを感じさせることなくピッチに君臨している。

森岡はなぜ、トップであり続けられるのか。リカバリー、コンディショニング、トレーニング。キングが今、自身のカラダのすべてを語る──。

(取材・文 本田好伸/撮影 軍記ひろし/協力 2XU、ビジョンジム パーソナル スタジオ 新橋)

■前編はこちら

77キロが一番、体がキレる

──「体と向き合うこと」はトップアスリートではなくて、一般の人でも考えるべきことですよね?

日本は、体を鍛えることへの意識が低いと思います。海外に行くと、ジムにはすごい人が入っていますし、ただ単にゴツイのではなくて、体をカッコよく見せたいという人が多い。休みの日や、空いた時間にジムに行くということを当たり前の感覚として持っているんです。太っているとよくないと言われますけど、一方で痩せているのがいいわけでもない。ただ細いだけになってしまいます。そうではなくて、鍛えることで、生活に余裕が出てくるのではないかと思います。僕は走ることが嫌いなんですけど、走った後には余裕を感じます。スッキリ感があるというか。ジムに行き始めると、自分の体を見て、自信を持てるとか、余裕が生まれるとか、それはスポーツをしていなくてもあるべきものだと思います。洋服にしても、どんなものを着ても変ではないだろうし。でも日本だと、そういう取り組み方をしているとナルシストだと言われることがある。

──森岡選手はそんな経験はないかもしれないですが、そうやって日常的に体をケアしていると、「階段を登っただけで息切れしてしまう」なんてこともなくなってくる。

なくなると思いますし、特に自分もそうですけど、世のお父さんたちにとっては「パパは疲れちゃった」って子どもにがっかりされたくないじゃないですか。背中の大きな父親でいるためにも鍛えなきゃって思うわけですよ(笑)。

──ずっと肩車してあげたいですよね。

そうそう。なのに、階段を登って息切れして、疲れちゃったでは、子どももわかってしまう。鍛えるというのは、決してボディビルダーを目指すわけでもゴツくなるためでもありません。でも、スポーツをしている体としていない体の違いは大きいと思いますし、日常生活の余裕が変わってくるはずです。先ほどの睡眠の話ですけど、(何もしないで)10時間寝た人よりも、スポーツをした後に6時間寝た人の方が、ぐっすり眠れていると思います。スポーツしないで家でテレビ見て、眠いから寝て、長く寝てしまって、次の日に元気かというと、決してそうではないと思います。逆に、もっと眠くなっちゃうというか、だるくなりますよね。それは深い眠りに入れていない証拠です。

──人づてに聞いた話ですが、イチローさんは毎日、新しいインナーを使っていたそうです。それは、ミリ単位で自分の体の変化を知るためということでした。森岡さんも、自分の体が今日は違うなと知る方法があったりしますか?

今日は違うなというか、そういう感覚はわかりますね。おなかを見ます。

──おなか?

腹筋が割れているときと割れていないときがありますよ。見た目ではそんなに変わらないのかもしれないですが、自分のなかでは鏡を見て、ちょっとした違いを感じます。体重計にも何回も乗ります。できれば、自分の体を同じ状態に保ちたいですから。でも食べるものによっても変わってきますから。ちょっと汚い話ですけど、排便がないときは割れていないけど、した後は腹筋が割れていたりとか。結局、胃や下腹部が膨らんでしまっているとかはわかりますし、自分の体の状態はいつも気にしていますね。

──ベストの体重があるんですか?

僕は実は、今もそうですけど、現役中はずっと77キロなんです。もちろん、瞬間的に76キロとか78キロとかになりますが、試合には77キロに持っていきます。

──そこに合わせる?

食事もトレーニングもそこに合わせます。77キロが一番、体がキレる。

──そこに持っていくためのルーティーンがあったりもするんですか?

いや、ルーティーンまではいかないですね。ただ、毎日体重計に乗るので(変化がわかる)。試合が近づくと、体重が足りないから何を食べようとかそこまで細かくはないですが、必ず77キロにしていきますね。77キロと、78キロ、79キロで、その1、2キロの差で何か違うのかって思うじゃないですか。でも、今の監督は、重りをつけるんです。ビブスに。4キロのビブスがあって、それを着けて練習をするんですが、最初はいけるでしょって思うのですが、やっているとだんだん体が動かなくなる。1、2キロって、最初はできると思う。でも体がだんだん疲れてくると、その重みが、何キロにも体感するものになっていく。だから体重って、僕はすごく気にしますね。最初はいいですし、普通に歩く分には問題ないかもしれない。でも、体を動かして疲労が溜まることで、その重みがわかってきます。

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