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2018.10.24

【大ケガからの復帰】前十字靭帯損傷の大ケガから復活。丹羽脩人を支えた2つのこと。

PHOTO BY軍記ひろし

日々の鍛錬により究極まで肉体を鍛え上げ、あと一歩、あと半歩、ミリ単位、秒単位まで追求するアスリートたち。そんな彼らは常にケガと隣り合わせの世界に生きる。現役を引退するアスリートの中には、ケガが原因であることも多い。

一方で、大ケガから奇跡の復活を果たした選手もいる。長く辛いリハビリを経て、彼らはどんな思いを持って、復活の日を迎えたのだろうか──。

リハビリを支えた2つのこと

2018年10月19日。約10カ月の離脱期間を経て、丹羽脩人がFリーグのピッチに帰ってきた。

ベンチ前のピッチサイドに立った瞬間、観客からは「つるー」、「つるる頑張れー」と声援が送られる。右膝に巻かれた包帯はまだ痛々しさが残るが、それでもボールを持つと得意のドリブルを仕掛けるなど元気な姿を見せた。

丹羽は昨シーズン、当時は北信越リーグだったボアルース長野からフウガドールすみだに加入。最初は下部組織であるバッファローズ所属だったが、トップチームに帯同したプレシーズンマッチでの活躍が認められ、リーグ戦開幕前に早くもトップ昇格を掴み取った。

須賀雄大監督に「脅威」と言わしめたドリブルを武器に、Fリーグのピッチを躍動。チームに欠かせないピースとしてその存在感を見せつけた。

──しかし、そんなサクセスストーリーを歩んでいた丹羽に悲劇が襲う。今年1月6日、クラブ公式HPで「丹羽脩人選手の負傷について」のリリースが出された。クラブの発表によると練習中に右膝を負傷。診断結果は、フットボーラーにとっては致命的な右膝の前十字靭帯損傷。全治は8カ月だった。

「今までこれほど大きなケガをしたことはなくて、(ケガした瞬間に)これは重症だなと思いました」と振り返る。ドリブラーである丹羽は、相手との激しい肉弾戦が必要なピヴォやフィクソとは違い、対人プレーで接触することは多くないため「自分はケガをしないキャラ」だと思っていたという。

そんな中での選手生命を脅かすような大ケガ。「競技レベルも上がってこういうこともあるなと思いそれほど落ち込みはしませんでした」と丹羽は気丈に振る舞うが「ボールに触ることが好きなので、それは寂しい気持ちですよね」と本音を明かす。

負傷後すぐに行った手術は無事に成功。しかしアスリートにとって本当の苦しみはここから先のリハビリだ。

「(術後から)3カ月は装具が必要でした。そしてその後にジョギングができるようになります。実際にボールを蹴り始められるのは5カ月目以降でした。インサイドから始まって、対人なしでのプレー。そして7カ月で対人プレーができるようになり、そこからの1カ月で慣らしていきます」

きついリハビリ期間中に、丹羽の力になったことが2つあったという。1つはチームメートたち。

「フウガの選手たちはイジってくれるんでね。心配の声もありましたが、そうやってイジってくれることが一番大きかったです」

リハビリ期間中は、どうしても物事をネガティブに考えてしまうこともある。しかし“すみだらしい”ポジティブな雰囲気が丹羽の助けになった。

そしてもう1つが同じケガから復活した選手たちの活躍だった。

「ワタ(渡井博之)さんも2年前に同じケガをして、今は活躍しています。リーグで見ても加藤未渚実選手(シュライカー大阪)、皆本晃選手(立川・府中アスレティックFC)。そういった選手たちの活躍はモチベーションになりました」

そういった周りの助けもあり、復活を信じて駆け抜けた8カ月を経て、丹羽はピッチに戻ってきた。

「なんとも言えない感情でしたね」と、復帰戦を振り返る。トレーニングとは異なり試合での対人プレーに関しては「正直に怖さがあります」というが、「膝自体の痛み、違和感はありません」と上々の手応え。「あとはそういう怖さの部分と心肺機能、筋疲労の部分がついていけていないので、実戦を経験して上げていければ」と今後の課題を語るも、その表情は再びボールを蹴ることができる喜びに溢れていた。

丹羽といえば、リハビリ中に「つるる」としてすみだの応援マネージャーを務めた。女装とは思えないその美貌からたちまちSNS上で話題となり、試合会場では至る所で写真を求められるなど一躍大人気となった。

「語弊があるかもしれませんが、女装願望がなかったわけではなくて」とちょっと危ない発言も飛び出したが、「つるる」誕生には彼なりの思いが込められていた。

「そうやってキャラが立って、僕がどういう人かというところから知ってもらう。そしてプレーを見てもらって、気にしてもらえたらなと思っています。決しておちゃらけではなく、そういう部分も考えてやったことなので良かったと思っていますよ」

「つるる」としての知名度が上がった今、今度は「丹羽脩人」としてもう一度輝きを取り戻す番だ。昨シーズン、彗星の如く現れ、その脅威的なドリブルでFリーグのピッチを切り裂いたあの姿をもう一度。丹羽の完全復活はもうすぐだ。

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