更新日時:2019.09.12
【AFCクラブ選手権2019】なぜ名古屋オーシャンズはアジア王者になれたのか?密着取材したライターが読み解く2つの理由。
PHOTO BYAFC
名古屋オーシャンズが、3大会ぶり4度目のアジア制覇を成し遂げた。
過密日程、ベンチ入りできる外国人枠がたった一つ、フエンテス監督就任1年目、死のグループ、負傷者続出、直前のエスポラーダ北海道戦での黒星……。
なぜ名古屋は様々な不安要素を跳ね除け、栄冠へとたどり着けられたのか。
タイ・バンコクでの大会を密着取材したライターが読み解く。
このままではアジア王者になれない
8月4日、名古屋オーシャンズはエスポラーダ北海道とのアウェイゲームに臨んでいた。北海道はその時点で12チーム中11位。名古屋の大勝も予想されたが、結果はまさかの黒星。小さくない不安を抱えたまま、8月5日、名古屋は決戦の地であるタイ・バンコクに向かった。
迎えたグループリーグ初戦、名古屋はアルダフラFC戦に先制点を決められてしまう。最終的には4-2で勝利を収めたものの、アジア王者への道のりが険しくなることを予感させた。
ただ、結果的にはこの2つの“ミス”はポジティブに働いた。
「僕たちができなかった部分、やれなかった部分が(北海道戦の)負けにつながってしまった。相手もやりきってきたというのもありますけど、ミスから(ゴールを)入れられた部分が結構多かった」(星龍太)
以前、星龍太は「“頭を冷やしながら心を燃やす”ことがオーシャンズの選手の宿命。(相手を受け止めきれず)カッとなると、泥試合のようになって審判とも言い合ってしまう。それがオーシャンズの負けパターンです」と語っていた。
うまくいかないときはある。ましてや、国際大会では審判のジャッジも、会場の雰囲気もいつもと違う。そうした要因から実力を発揮できずに崩れてもおかしくなかった。
ただ、今回の名古屋は違った。「まずは、自分たちがやるべきことをやろう」。試合前のロッカールームでは前向きな言葉が飛び交った。
結果論ではあるが、「このままではアジア王者になれない」という強烈な危機感を初戦の時点で共有できたのは大きかった。
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