更新日時:2023.11.09
【F1第19節|記者会見/立川vs北九州】キャプテン退場で不在のなか、4失点から残り10分で1点差に。北九州・浦上浩生「チームとして成長した姿を見せられた」
PHOTO BY勝又寛晃
11月5日、Fリーグ2023-2024ディビジョン1の第19節、立川アスレティックFCvsボルクバレット北九州が行われた。
アウェイゲームを戦う北九州は、今年2番目の観客動員数となったアリーナ立川立飛に乗り込んだ。
会場の雰囲気にも押され防戦がつづくなか、北九州は4分と16分に失点。さらにはキャプテンの安嶋健至が一発レッドカードで退場と想定外の事態が重なりペースをつかむことができず。第1ピリオドでもう1点を奪われ3-0で試合を折り返すと、24分に4-0にもちこまれ、立川が優勢のまま試合は進む。
ところが残り10分、北九州がパワープレーに踏み切ると流れは一転。30分に左サイドから宮崎岳がシュート性のボールをファーサイドに送ると、これをクシヤマ・イザケが触って1点を返し、同様の形で32分にもイザケが追加点をマーク。35分にはまたもや左サイドからの花嶋悠の折り返しをイザケが押し込み、あっという間にスコアは1点差に。ラストプレーで花嶋がネットを揺らすも、先にタイムアップの笛が鳴り得点は認められず、3-4で試合は終了。
あと一歩まで立川を追い込んだものの勝ち点をつかむことができず、北九州は今節の結果をもってファイナルシーズンを下位リーグで戦うことが決定した。
試合を終え、中嶋孝行監督と浦上浩生が記者会見に出席した。
前向きな姿勢を大事にしたい
●ボルクバレット北九州|中嶋孝行監督
──試合を振り返って。
立川は「速い」というイメージがあって、トランジションだったり定位置攻撃からの「速攻のフェーズ」と呼んでいる数的不利な局面を気をつけたかったんですが、結果的にそこで失点をしてしまいました。少し早めにGK攻撃を使って得点機を探りましたが、後半は割り切ってセットによって二つの戦略的を取って、最終的には点差が縮まらなかったのでパワープレーを選択しました。パワープレーについては自信をもってやってくれましたし、チャンスもかなりつくれたんじゃないかなと思っています。
そういう意味では、最初の失点が大きく影響した試合になったなと。いずれにしても選手は最後まで諦めず、僕たちらしさを全員がピッチで表現できて、見応えのあるゲームだったんじゃないかと思います。リーグ戦という面で考えると厳しい状況ではあるんですが、前向きな姿勢を大事にして次の大阪戦にぶつけていきたいです。
──キャプテンの退場が不確定要素とはいえ、第1ピリオドは対応が後手に回って少し荒いプレーになった部分もあったように見えました。そこから一転して第2ピリオドに立て直すことができた要因は?
安嶋が退場になるまでは、ファウルは0か1だったと認識しています。なので、ファウル数に対してどうこうというのはありませんでしたが、もう少し高い位置だとファウルのカウントになる可能性はあるという話はしていました。
基本的に私たちは4対4で守備をそろえるという話をしているので、その部分とボールの奪い際のあとに崩されてしまい、ファーストラインを壊された状態で「速攻のフェーズ」になりかけていたので、そこはもう少しそろえようと伝えました。
──前回取材した試合でも、劣勢になって、早い段階からパワープレーでこれやって一気に巻き返していました。それが一種のボルクの特徴なんでしょうか。
一応準備をしてきたものはあるので、定位置攻撃でボールを保持しながら前進する4-0とピヴォを置く3-1で基準を2パターンつくってはいました。あとはゴレイロの今給黎 (空)を上げた攻撃や伊名野(慎)もそこに少し絡みながら、うまく2セットを回して、その後にパワープレーという流れを用意しています。「これがダメなら、こうしよう」というのを選手も理解してくれているので、そこの流れのスムーズさは強みかもしれません。
一方で早い段階で先に失点をしてしまい、後手を踏むというのはチームの課題です。今日に関しては、最悪第1ピリオドは0-1でもいいよという話をしていましたが、結局崩れてしまいました。パワープレーでは相手の脅威になる局面もつくれていたと思うので、失点をしない時間をもう少し長くできればもっといい戦いができるんじゃないかなと思います。
──パカット選手のプレータイムが少なかった理由を教えていただけますでしょうか。
そうですね。コンディションのところで本人から話もあり、あまり無理はさせたくなかったという背景があります。
──大澤選手については、後半の半ば過ぎたタイミングで起用していましたが、彼はファーストにもセカンドにも入る選手なんでしょうか?
基本的には3-1セットのピヴォで浦上か大澤かという使い分けか、もしくは浦上はフィクソもできるのでそこのバランス感を見て、パカットが難しければそこに浦上を入れて3-1にするという形ですね。
──次戦の大阪はすごく守備の固いチームですが、どういったところがポイントになりそうでしょうか。
去年うちにいた田村研人選手も含めて守備が堅いですし、大阪は失点があまりないチームです。もちろんそこから点を取るっていうことも大事ですが、一つ課題になっているのは先制点を取られてしまうことなので、こちらも守備を揃える準備が必要です。攻撃陣もパンチのある選手が非常に多いですし、シュートのインパクトも強い選手がいますので、やっぱりどれだけ失点数をゼロに抑えられるかが大事かなと思います。
ネガティブなところだけではなかった
●ボルクバレット北九州|浦上浩生
──試合を振り返って。
先制点が試合の鍵を握ってたかなと。立ち上がりも気をつけようと話をしていながらもやられてしまった。対策もしましたが、そこについては立川が僕らを上回った結果だと思っています。
ただ、今日会場にいたお客さんやFリーグTVをみていた方々は誰もがこのまま0-4でそのまま行くんじゃないか、どんどん北九州が崩れていくんじゃないのかと思われたんじゃないかなと。でもそこは前回の対戦と違って、チームとして成長した姿を見せられたので、ネガティブなところだけではなかったかなと思います。
もちろん、勝ち点を何としてでも積みたかったというのが正直なところですが、0-4かもしくはさらに点を取られて終わるのではなく、得失点差も考えたらよく3-4に追いついたなと、そこはポジティブ捉えたいです。
次はホーム最終戦で、キャプテンの不在はチームにとってかなり影響が出てくるとは思います。ただそこは選手一人ひとりが自覚して、今まで中心となって支えてくれてた分、今度は僕らが安嶋を勝利で迎えてあげられるように全員で次の試合に向けていい準備したいと思います。
──率直に、キャプテンマークを巻いてピッチに立った感想をお願いします。
ボルクでは初めてでしたけど、昔2年ほど湘南でキャプテンをやっていたので、懐かしいというのが率直な気持ちでした。ただ、自分的には巻く気もなくすぐピッチになってしまったので、イザケに呼び戻されて「ああ、そっか!」と。安嶋キャプテンには申し訳ないですが、ちょっとワクワクはしましたね。
──点を決めたのはイザケ選手、アシストも宮崎選手でしたが、連携の部分やパワープレー返しをキャッチした瞬間も含め、浦上選手の活躍も光っていました。長い時間パワープレーするなかで意識したことを教えてください。
一番はゴレイロの伊名野との交代の部分ですね。代われるか代われないかのタイミングでベンチを見たり、ボールの動きや相手の状態を見ながら、戻るか行くかの判断は、一番注意した点です。
攻撃面はパスを出せる選手が多いので、僕としてはそこの役割を担うよりかは、先ほどおっしゃっていただいたように循環の部分で間に入ってちょっと顔出しをしたり、味方を助けに入って相手の邪魔をするとか、そういうちょっとした嫌なプレーをすることを、今日は特に心がけました。
──2得点をしたあとそれまでのパワープレーと違って、キーパーの前あたりを動き回っていて、立川がその対応に苦労をしていた印象でしたが、その点については?
僕が意識していたというか、そのパワープレーのメンバーだったり監督と相談した上での動きです。立川はこういう攻撃をすると、こういう守り方をして、じゃあは今度こうしよう。というのを監督が動画を編集してくださっているので、その動画とかも見ながら、練習をして形を作りました。
今日のパワープレーは今まであんまり使ってない形だったんですけど、自分としては状況が変わっても順応できるっていうのが僕の良さでもあるので、そこがうまくはまったかなと思っています。
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