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作成日時:2023.11.15
更新日時:2023.11.15

【日本代表|記者会見】次回W杯開催国ウズベキスタン遠征の狙いは?国内組限定、各クラブ上限3人、重点ポジション、日頃の出来、将来性…木暮賢一郎監督が説明

PHOTO BY本田好伸

日本代表は11月16日〜25日の期間で、AFCフットサルアジアカップ2024予選以来、1カ月ぶりの活動を行う。初日に国内でトレーニングした後、ウズベキスタンの首都タシュケントへと出発し、22日、24日にウズベキスタン代表と国際親善試合を戦う。活動に先立ち、15日、木暮賢一郎監督がオンラインで記者会見を行った。

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種を蒔いてきたものを、いい形で刈り取りたい

木暮賢一郎(日本代表監督)

このタイミングはもともとはアジアインドアゲームズの予定でしたが、大会の延期により急遽、ウズベキスタンとのいいマッチメイクを組めたと思っています。

Fリーグの最終局面の重要な時期、インターナショナルマッチデーではない状況で、なおかつ、国内のクラブも上限は3人という制限はありますが、協力していただいたリーグ、クラブ、関係者への感謝と、いい成果を出して、次のアルゼンチン戦につながるようないいゲームをしたいと思っています。

ワールドカップ予選を控えていますし、ウズベキスタンは開催国でもありますから、その国には予選を勝たないと行けないですが、大きなメリットでもあります。有意義な活動にしていけたらと思います。

──アジアカップ一次予選後の最初の活動になります。海外組を呼べない、クラブの人数制限があるなかで、今回のメンバーを選んだ狙い、活動の意図を教えてください。また、上原拓也選手は、木暮賢一郎監督が就任してからは初めての招集となります。

メンバー選考ですが、選べる選手の条件がありました。まずは海外組は呼べないこと、国内も各クラブ3人までという前提です。その中で、チームとして、チャイニーズ・タイペイでの一次予選を通過するまでの継続性と、さらにブラッシュアップするために必要なタイプの選手や、この先必要になってくる選手層を厚くしたいポジション。国内リーグでのパフォーマンス、将来性、様々なポイントからメンバーを選んでいます。

各クラブ3人以内ですから、条件が重なった場合、4人目の枠はありません。ですから、どういう組み合わせがいいか、シミュレーションした上での選出となります。

基本的にはハイパフォーマンスをしている、同レベルであれば若い選手を優先する、今後の課題感にあるポジション、選手層を厚くすることがスタンダードの考えです。

(上原)拓也については、自分が監督になってからは初めてです。彼の選出についてはまず、GKを3人連れて行くことがあります。過去に何回か、ケガなどのアクシデントが起きていますから、2人ではなく3人にするということがスタートにあります。

2つ目は、各クラブ3人という影響もあります。拓也は年齢のこと、足元を使えること、クラブでの出場が増えていることが理由にあります。代表チームとしてGKの年齢層が高い事実もありますから、今までは(井戸)孔晟を呼んでいます。拓也のほうが彼より年齢は高いですが、一緒にトレーニングして、GKの層を厚くしたい狙いもあります。



──前回のアジアカップ一次予選の国内合宿期間にサポートメンバーとしてトレーニングした本石猛裕中村充ナカマツ・ルアンも入ってきました。彼らにとっては、この先に向けてよりポジション争いも求められてきます。どんな期待をしていますか?

事前の若手中心の国内合宿から呼んできた齋藤日向を含め、チャイニーズ・タイペイ前の合宿に参加してくれた(中村)充、タケ(本石猛裕)、ルアンは、その時点で確約していたわけではないですが、当然、代表活動はいつ、どんな目的で、どの相手とやるかなどのプランニングはあります。ですから、今回のウズベキスタン遠征を国内組で行うことはプランに入っていますし、常に継続的に強化しています。前回も一緒にトレーニングをしていますから全くの初めましてではないですし、これまで種を蒔いてきたものを、ここでいい形で刈り取りたいなと考えています。

チームとしても、彼らとしても、高いモチベーションで来てもらえると思いますから、ウズベキスタンとのゲームまでにさらにパフォーマンスを上げてもらいたいです。

──今回の対戦国であるウズベキスタンの印象やアウェイでやれる意義は?

ウズベキスタンと対戦できることは、我々にとって大きなメリットです。

その理由は3つあります。一つは、W杯の開催国であること。その地でプレーすることで、勝敗に関わらず、W杯への具体的なイメージが、選手やスタッフ、チームとして湧きやすい。「ここに戻って来たい」という大きなモチベーションとなり、より明確で具体的な目標設定ができます。

もう一つは、近年、フットサルを大きく強化している国であることです。アジアカップも準決勝で当たっていますし、近年レベルアップしているので、対戦レベルという点でもふさわしい。

もう一つは、W杯に向けて、非常にいい指導者を招聘しています。

公に発表されていない可能性があるので名前は控えますが、世界的にもトップ・オブ・トップの指導者を呼んでいますから、そのタイミングでやれることは我々としても、戦略的な駆け引きを高いレベルで味わえます。

今お話しした3つの点で、いいマッチメイクになっています。昨年のアジアカップ準決勝では勝っていますから、彼らはホームでのアドバンテージを生かして勝ちに来るはずです。我々はアウェイでやれることで選手をタフにできますから、いい機会だと思います。



GKのレベルアップは必要不可欠

──課題感のある選手層という話もありましたが、その点でいえば、ピヴォにも課題があるように感じます。チームの戦略も変化している現状がありつつ、そのなかで、ピヴォの招集を2人としているのは?

クウェートで優勝したアジアカップでも、ピヴォは2人でした。前提として、我々にとってピヴォは必要です。常に2人は考えています。アジアカップより以前の活動では3人の時もありましたが、アジアカップ以降は常に2人を連れて行っています。

取り立ててそこに対して、多いとか少ないとかはなく、常に2人はいる状態です。明確に3セットをやるには各セットに1人ずつの3人が必要となりますが、これまでも、事前に決められた3セットでやったのは、今年のタイでの過密な中でしか使っていません。

40分のうち、2人のピヴォがいることで、多くの時間でピヴォを入れてプレーすることは可能です。仮に3人が全員ピッチに立つのであれば、一人当たり13分とか、パワープレーがあればもう少し少なくなります。

世界的に見ても、ピヴォが3人というのは多いです。ブラジルの場合は4人いますけど、それは彼らがピヴォ以外に、アラやフィクソなどもできるからです。

ですから、2人というのは少なくはありません。戦略的にも、3人目はアラもできるピヴォなど、ポジションを重複できる選手を呼んだり、もしくは、ピヴォを置かない戦いもあります。なので、2人は適当だと思っています。

その中でどう争うかは、今回であればタケがチャンスだと思います。若い選手では、(毛利)元亮や中島圭太など、海外でプレーする選手もいます。いわゆる典型的なタイプのピヴォということでは、若手の合宿に参加してもらった荒川勇気など、彼らの活躍は見ています。そこには噛み合わせや戦略、タイミングもあります。

自分にとって3人は過負荷かなと。本当に必要であれば3人を連れて行きますが、今は2人が適正な人数だと考えています。

──本石や高橋響などフィジカル的な強さ、接触に強い選手が多い印象もあります。そのあたりは意図したものでしょうか。

基本的に、その2人はピヴォとフィクソなので、ポジション特性上、必要だと思っています。高橋はその中でも特にサイズがあり、攻撃でもゲームメイクできます。系統で言えば、(オリベイラ・)アルトゥールのようであり、年齢も若いので国際経験を積んでほしいと考えています。実際、ブラジル遠征にも呼びましたが体調不良のため参加できませんでした。今年のモロッコ遠征でデビューしましたが、モロッコ、ブラジルと活動を継続できていれば、先日のチャイニーズ・タイペイのメンバーにも入ったかもしれません。

そうした選手を、強化の中で必要なピースとして推し進めてきましたから、フィジカル的な強さ、素養のある選手を求めていましたし、フィクソにとっても必要なことです。

本石についても、彼はピヴォですが、フィクソと同じでコンタクトがあるポジションです。ファウルかどうかはおいておき、今はコンタクトが激しく、タフになってきています。そのなかでいいパフォーマンス、フィジカル的な素養に長けているのは重要なことです。加えて、彼はモビリティもあるので、代表チームのいいオプションになってほしい。



──GKは特に黒本ギレルメフィウーザイゴールなどもケガがちな印象もあります。そのあたりへの危惧もありますか?

まず、我々がここまで招集しているGKの年齢が高いことは間違いありません。ですから、昨年のアジアカップも(井戸)孔晟を連れて行き、その後も彼や、今回は拓也を呼んだりしてきました。ケガだけでなく、その先の将来を含め、若いGKが早く世界を経験する必要があります。GKの枠の1人を若い選手にしていることには狙いをもっています。

また、Fリーグ全体でも、GKのレベルアップは必要不可欠です。FPとは異なり、正GKは頻繁に交代するわけではなく、ポジションは1枠しかありません。現状、年齢が高く、外国人が守っているチームもあります。底上げを図り、よりレベルの高いGKが出現することには期待しています。

そのために早いうちからGKプロジェクトを立ち上げ、我々は多くのGKを把握しています。ただし、その選手たちがFリーグで出場できるかどうかは、各クラブの監督が判断することです。我々としては、出場している選手から最適なGKを選んでいます。今回は、イゴールや田淵(広史)は、3人の縛りがある選考基準もあり、議題に挙がりました。

各クラブから呼ぶ選手の中にGKを含むかどうかは議論を重ね、熟考した上で今回の選択となっています。

──どこのポジションを優先に選ぶなどもあるのでしょうか。

多角的に見ていますので、チームとして一番課題であるポジションから埋めていった事実はあります。あとは、海外でプレーする選手にGKはいません。全体感で考えると、複数の海外組、FPの枠が空いている事実がありますよね。

フィクソであれば、アルトゥールや(山田)凱斗の2人、ピヴォなら、平田(・ネト・アントニオ・マサノリ)。アラであれば、逸見(勝利ラファエル)と(内田)隼太がいます。4月のアジアカップもFIFAデイズが重なっていないので、(海外組を呼べない可能性が高く)どんなことが起きるかは理解しています。

水面下では(日本人選手が所属する各国クラブや)海外の連盟とコミュニケーションを取っていますが、現状のカレンダーでは(FIFAデイズから)ズレています。GKは海外でプレーしている選手はいないので、(海外組を呼べないことで)空いたポジションというチャンスをうまく使いたいということにはなっています。



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