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作成日時:2024.03.06
更新日時:2024.03.06

【第29回全日本選手権|ミックス/名古屋vs立川】比嘉体制ラストゲーム。最後の1秒までキャプテンとして仲間を鼓舞し続けた立川・上村充哉「このチームを衰退させるつもりは1ミリもない」

PHOTO BY高橋学

3月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場にて第29回全日本フットサル選手権大会の決勝戦が行われ、名古屋オーシャンズ立川アスレティックFCが対戦。試合は6-2で名古屋オーシャンズが5年ぶり6度目の優勝に輝き、立川は惜しくも準優勝という結果に終わった。

連日の激闘のなか迎えた決勝戦にキャプテンとしてピッチに立った立川のキャプテン・上村充哉。前半は両者ともに強度の高い見ごたえのあるゲームを展開したものの、終わってみれば4点差の力負け。

試合後、上村に話を聞いた。

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比嘉体制での3年間、やれることはやり切った

──惜しくも準優勝とはなりましたが、見事決勝まで勝ち上がってきました。

もちろん悔しい気持ちはありますが、比嘉体制になって駆け抜けてきたこの3年間、やれることはやり切ったという感じです。

──昨日も上村選手はSNSで「比嘉さんの最後にタイトル無しで終わらせるわけにはいかない」と発信されていました。

もちろんタイトルを取りたいと言う気持ちはありましたが、名古屋に対して力が及ばなかったです。

──前半は強度の高い試合展開が繰り広げられていました。失点シーンを除けばいい戦いが出来ていたのではないでしょうか。

そうですね。常に比嘉監督からはそういった強度の部分で試合が分かれるという話は伝えられていたので、最後の最後に出せなくて申し訳なかったです。

──試合開始直後に先制点を許しましたが、上村選手ご自身はいかがでしたか?

先制点を取られたことだけが敗因とは言えないですが、気をつけなくてはならない時間帯であったと思います。

──試合の立ち上がりが重要であることは上村選手も分かっていたと思いますが、一瞬の隙を突かれたという感じでしょうか。

そうですね。ボールを失ってしまって、ダルラン選手のスーパーシュートに対して、為す術無しだったかなと思います。

──プレーの中でミスが出た際などすごく怒っている姿が印象的でした。

監督の言う通りだと思っているので、特に気にしていません。言われて凹んでいるようではやっていけないので、割り切ってモチベーションを下げないようにやっていました。

──名古屋に勝つために必要なゲームプランというのは何でしょうか。

正直数年前までは、名古屋に対してメンタリティーの面でチャレンジャーとして望んでいました。もちろん名古屋は強いですが、僕は対等に渡り合えると思っているのでリスペクトしすぎないことは大事かなと思います。しかし、自分たちが守備に回る時間はどうしても多くなってしまうので、名古屋の強みであるピボの部分で負けないことが重要になりますね。

──後半に清水和也選手にゴールを決められたシーンで上村選手がピッチに倒れ込んでいたのが印象的でした。やはりあの場面はダメージは大きかったのでしょうか。

そうですね。僕も反応こそしていましたが、こぼれ球に対して(清水)和也の方が早く反応していました。もったいなかったなという印象です。

常に優勝を狙えるチームにする事が自分の役割

──昨年のファイナルやプレーオフにおいても名古屋と対戦しました。今大会では形こそ違いますが、連戦の最後に名古屋と対戦することになりました。環境の違いはあると思いますが、立川はシーズンの終盤に強度が落ちてしまう印象があります。

名古屋の方が環境が恵まれていることは、おそらく全員が分かってはいます。僕らは毎日午前中のワンセッションのみしか練習出来てないという現状ですが、それを選手が言い訳にしたら終わりです。それぞれ環境の違いはあると思いますが、僕は自分の置かれた環境の中で時間を見つけてやるしかないのかなと思っています。

──上村選手がおっしゃったように環境が他チームに比べて決して良いわけではないですが、毎年コンスタントに上位に食い込んできています。その要因はどこにありますか。

まず、比嘉監督の存在は大きいです。チームを勝たせるという観点では、とても優秀な監督だと思います。選手も真面目な選手が多いため、自分のミスを他人に転嫁する選手もいないですし、割とどんな時もそれぞれが自分に矢印を向けて取り組めています。こういった選手の性格と比嘉監督のやり方がマッチしたのかなと思います。

──上村選手をはじめ、複数の選手が「比嘉監督は誰に対しても厳しく、誰に対しても優しい」と口にされていました。

もちろん厳しい指導もありますが、選手のことが嫌いだから言っているとは誰も思っていません。みんな監督に対して優しさを感じていたと思います。

──昨年は金澤空選手が移籍して、今シーズンも既に新井裕生選手の退団が決まっています。選手が活躍して他のチームに出ていってしまうというサイクルの中で強さを維持することは大変な事ではないですか?

そうですね。主力選手が退団しているので大変ではありますが、少なくとも自分が在籍している間はこのチームを衰退させるつもりは1ミリもないです。常に優勝を狙えるチームにする事が自分の役割だと思っているので、誰かがチームから抜ける事で変わることはないです。

──ただ。現実的にベスト5や日本人得点王の存在を埋めることは簡単ではないですよね…?

僕自身がいなくなった選手のプレーの代わりをする事は出来ませんが、チーム作りの面で監督と協力しながらチームの総合力を上げる事が僕の仕事だと思っています。

──今後のチームにおいても、上村選手の存在は非常に大きなものになると思います。来シーズンに向けてどのようなイメージをもっていますか。

僕がベルマーレでなかなか試合に出れなかった時期にアスレに拾ってもらった恩があるので、このチームに骨を埋めるくらいの気持ちでプレーしています。今後はどうなるかわかりませんが、僕が在籍している間は常に優勝を狙うクラブにしたいと思います。

──チームに在籍する選手をフットサルのみで食べていける環境にすることも、やはり重要?

そうですね。そこも僕の仕事であり、役割だと思っているので。ピッチでプレーする選手にお給料を払えるかどうかはクラブ云々の話になってくるため、僕自身が口出し出来ることではないですが、今の時代は稼ぎ方はいくらでもあると思っているので僕自身が一つのモデルケースになれればと思います。クラブやリーグが改善しないことがいけないとは僕は全く思っていないですし、選手として思うべきではないと思います。まずは選手個人が稼げるようにならなければいけないということは、選手全員が分かっているはずです。いつまでも人のせいにしていても何も進まないですからね。



 

 

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