更新日時:2021.03.08
【すみだ 記者会見/全日本選手権準決勝vs町田】2点を守りきれず延長、PK戦に持ち込まれながらの勝利。クラブ史上、4年ぶり4回目の決勝へ!
PHOTO BY高橋学
3月6日、静岡県・浜松アリーナでJFA 第26回全日本フットサル選手権大会準決勝 、ペスカドーラ町田vsフウガドールすみだが行われ、2-2で延長戦にもつれ込んだが決着がつかず、PK戦の末にすみだがPKスコア4-3で勝利。優勝した2009年大会、準優勝した2013年大会、2017年大会以来となるクラブ史上4回目の決勝進出を果たした。
試合後、須賀雄大監督と森村孝志、諸江剣語がオンラインでの記者会見に出席した。
ペスカドーラ町田 vs フウガドールすみだ 試合結果(JFA)
選手たちにタイトルを獲らせたいという想いしかない
須賀雄大監督/フウガドールすみだ
──ギリギリの対決でしたが振り返っていかがですか? 今大会は終盤の失点が続いているように感じます。
まず、町田は本当に良いチームでした。いろんなバリエーションで点を取れますし、セットプレーや定位置攻撃、トランジションの良さがあり、そこに加えて、イゴールという信頼感のあるゴレイロがいますから、難しい試合になりました。そのなかでも、トランジションは一番脅威に感じていたので、そこで自分たちが優位に立てるかどうかでゲームの性質が変わると思っていました。
終盤のパワープレーで2失点しましたが、想像していない形からでしたし、崩されたというよりも、自分たちが奪いにいったアクションからの失点だったので仕方がありません。むしろ、そこまで失点をゼロに押さえたことがタフでした。これは簡単ではないことでしたし、相手にはイゴールがいるというなかで、失点をどれだけ少なくできるかということを選手に要求していたので、本当によくやってくれました。
延長に入るところでケガ人もいましたし、ガリンシャも前半にケガをしてしまいましたが、それでもチャンスをつくれていました。その意味でも、改めて選手たちのポテンシャルを感じる試合になりました。
──これで須賀監督自身、前身を含めてすみだで4回目の決勝となります。退任を発表して最後となる大会でここにたどり着けていることは、失礼な表現かもしれないですが“もっている”なと。2回目の優勝に挑むことになりますが、今どんな気持ちですか?
自分が退任することで、いろいろな方からも「最後の大会、頑張って」と言ってもらえるのですが、僕自身はそういった気持ちはありません。このチームに可能性とポテンシャルを感じていて、選手が努力してくれた1年でしたから、どこかでタイトルを獲らせたいという想いだけです。コロナの影響もあり、シーズン最初もよくありませんでした。途中、コロナ陽性者も出てしまったことで(延期された試合の代替によって終盤戦で)過密日程となり、これまでと比較して一番難しいシーズンだったかもしれません。そこを前向きに乗り越えていった選手たちが日本一のタイトルを獲るにふさわしいと思っているので、そこに挑めることがうれしいですね。
──前半と後半でかなり変化していた選手起用が特徴的でした。後半の起用の狙いは?
立ち上がりは3セットで回そうと考えていました。今年のチームは爆発的な選手がいるわけではないですが、3セットとも力のある選手がいるので、まずはそれで様子を見ながら、選手のコンディションや相手との噛み合わせを見ながら、セットを減らすのか、3セットを継続するかというプランでした。
ガリンシャが早々に離脱してしまいプランが崩れたのですが、そこでどんな2セットを組むかを考えました。畠山(勇気)、鬼塚(祥慶)、中田(秀人)、北村(弘樹)のセットは、粗さもあり、まだまだ足りないところもありますが、若さと推進力があるので、これは崩さないことをまず決めました。
そしてガリンシャのところに右利きのピヴォの岡村(康平)か、左利きの森村(孝志)かというところで、ガリと同じ左利きの森村にしました。これはほとんど試せていないセットでしたが、みんな良い意味で割り切ってプレーしてくれました。ガリと同じセットでプレーしてきた選手からすると、ピヴォにはどのタイミングで顔を出してほしいとか、森村からしてもどのタイミングでほしいとか、お互いに探りながらやっていました。そのなかで、まずやるべきこととして守備へのトランジションを頑張って、相手の良さを消してくれました。
そこに渡井(博之)、栗本(博生)、岡村がバリエーションを加え、序盤で追いつかれたらそれらの選手が違いを見せるイメージでした。本当に総力戦。全員が主役であり、脇役であるチーム。それを今日、証明できたと思います。
自分の存在価値をこの大会で示したい
森村孝志/フウガドールすみだ
──自身の今シーズン限りでの退団が発表されて最後となる大会でタイトルに届くところまできました。
今日はすごくしんどかったですし、PKも外してしまい、みんなに助けられましたね。
──シーズン終盤にチームにフィットしてきました。どんな手応えを感じていますか?
僕はオフェンスの選手ですし、ゴールに絡むプレーがしたいというスタイルでしたが、終盤にようやく理解してもらえるようになり、僕自身も、チームメートのことがわかってきて、最近良くなってきたと思います。
──須賀監督が退任する最後の大会ですが、チームはどんな雰囲気ですか?
特別な感じはなく、みんなで一丸となってやろうという感じです。個人的には、まだ、この先の移籍のことなど何も決まっていないので、自分の存在価値をこの大会で示したいと思っています。
準決勝だけど、涙が出るくらい勝ててうれしかった
諸江剣語/フウガドールすみだ
──今日は、相手の毛利元亮と本石猛裕という2人のピヴォがポイントでしたが、しつこくついていき、シュートブロックを何度も見せました。どんなことを考えてプレーしていたのでしょうか?
まず、この2人のピヴォは非常にレベルが高いですし、特に毛利選手は、今年で20歳ですけど、今、一番伸びているというようなレベルが高い選手です。最初は(ピヴォの前に入ってパスを通させない)前取りを狙おうと思っていたのですが、出し手のヴィニシウス選手は、バックドアという(ピヴォがフィクソの裏を突く動きをした際に)、裏に蹴れる選手なので前に入りづらく、収められてしまいましたが、反転はほとんど許しませんでした。(毛利の)右足シュートをスカウティングで警戒していたので、しっかりとシュートブロックできるように対応しました。
──今シーズンで須賀監督が退任するという最後の大会でタイトルに手が届くところまで来ました。諸江選手にとっては、キャリアを引き上げてもらった存在だと思います。明日の試合に懸ける想いはいかがでしょうか?
須賀さんとは10年以上の付き合いですし、僕がフウガに入ってから今年で10年目となります。Fリーグに上がってからはタイトルを獲れていないですし、日本一になって、須賀さんにタイトルをプレゼントして、気持ちよくとは言えないですけど、みんなで送り出したいと思っています。
個人的には、今日、準決勝ですけど、勝ったときに涙が出てくるくらいうれしかった。もちろん勝利自体もそうですけど、須賀さんとやってきた思い出や、8年前(の2013年大会で)僕がPKを外して名古屋に負けた試合とか、走馬灯のように思い浮かんできました。それくらい須賀さんへの想いが強いので、明日は、足がなくなってもいいので、最後まで走って、日本一になりたいと思います。
──PKになった瞬間、その8年前の光景が思い浮かびました。今度こそ自分が決めて決勝へ、という気持ちがあったりは……?
ははは(笑)。まず、大前提として、相手の登録人数と合わせるために、一人減らす必要がありました。僕は、練習でもPKを外していますし、8年前にPKを外しています。加えて、両足の太ももの裏がつっているという状況もあり、須賀さんに「僕を外してください」と伝え、須賀さんも「わかった」と言って外れました。
やはり、自信のあるやつが蹴ればいいと思いますし、僕が蹴って負けるのであれば他のやつが蹴って勝ちたいので、正直に伝えました。ダサいかもしれないですが、僕はチームが勝てればいいと思っているので、その判断は良かったと思っています。
JFA 第26回全日本フットサル選手権大会 決勝
日付:2021年3月7日(日) 会場:浜松アリーナ
14:00 トルエーラ柏 vs フウガドールすみだ
試合日程・結果・ライブ配信情報は大会ページへ
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