更新日時:2026.07.28
膝を二度手術したゴレイロが求める“足元の機能性”とは? 山口友輔が感じた『TIGORA OSA-1』のクッション性能

PHOTO BY本田好伸
山口友輔は今シーズン、育成年代を過ごした湘南ベルマーレへと復帰した。昨シーズンまでFリーグ ディビジョン2(F2)のヴィンセドール白山でプレーしたことで、彼は地域リーグからF1まで、各カテゴリーを渡り歩きながらキャリアを重ねてきたと言える。
現在29歳。ゴレイロというポジションの特性上、チーム内に複数人いるGK陣と、1枠しかない出場枠を争いながら、高みを目指してきた。その過程で身体に負荷をかけ、膝の手術を二度も経験したこともある。その実体験は、山口にあるこだわりをもたらすことになった。
それは、シューズの機能性だ。選手の足元を支えるギア選びに手を抜かなくなった。
そんな山口は今回、全国にスポーツデポを展開する株式会社アルペンのプライベートブランド「TIGORA(ティゴラ)」から発売された新シューズ「TIGORA OSA-1」を約1週間にわたってテスト。跳ぶ、止まる、膝を着くといったゴレイロ特有の動きを繰り返す山口は、そのクッション性をどう感じたのか。サイズ感や耐久性を含め、率直な使用感を聞いた。
取材・文=本田好伸
編集=北健一郎

「普通のフットサルシューズと変わらず動ける」

──まずは「TIGORA OSA-1」を実際に履いた第一印象をお聞かせください。
クッション性はすごく効いていると感じました。厚底シューズですけど、蹴りにくさもないですし、普段と比べて動きにくいとかもなくて、個人的にはものすごくいいなと。
──ゴレイロにとってクッション性は重要なポイントですか?
僕は、かかとは柔らかすぎるよりも少し硬さがあるほうが好きですが、同時に、衝撃を吸収するクッションも絶対にあったほうがいいと思っています。ゴレイロはジャンプしたり、着地したり、膝を着いたりする動きが多いので、膝への負担を考えてもそこは重要ですね。
なので、僕はこれまでもバレーボールシューズやハンドボールシューズを練習で履いたことがあります。クッション性を求めるならそういう選択肢もあるのですが、フットサルではボールを蹴る動作も必要になる。その点、このシューズはフットサルシューズとして普通にプレーできて、なおかつクッションもしっかりと効いているところが良かったですね。
──サイズ感はどうでしたか?
普段は26.5センチを履いていますが、今回は26.5センチだと少しきつく感じました。僕自身、足幅が広いこともあって、27センチを履いたらちょうど良かったですね。
シューズは足の長さだけではなく、幅や形との相性もあると思います。細いシューズが合う選手もいれば、僕のように幅が広い選手もいる。このシューズは27センチに上げることで、窮屈さを感じずに履けました。
膝の手術を経て機能性を重視するように

──もともとシューズへのこだわりは強いほうですか?
以前はそこまでなかったと思います。いろいろなメーカーのシューズを履いてきましたし、それこそデザインで選ぶこともありました。
ただ、膝を怪我してからは変わりました。右膝を2回手術したのですが、ゴレイロは膝への負担が大きいので、それからはデザインより機能性を重視するようになりましたね。シューズだけではなく、インソールも含めて考えるようになりました。
──現在は何のシューズを?
DIADORA(ディアドラ)の同じシリーズを長く履いています。国内では手に入りにくいので、海外のサイトで購入しています。基本的には同じモデルを色違いで履き続けています。
長く履いているので、自分の足に合っていることがわかっていますし、試合で履くシューズを大きく変えることに対しては少し怖さもあります。たまに別のメーカーのハンドボールシューズなどを試しますけど、試合用は慣れているものを選ぶことが多いですね。
──試合用と練習用のシューズを履き分けているんですね。
そこは完全に分けています。試合用は常にできるだけ状態の良いものを使いたいので、新しいシューズを試合用にして、少し劣化してきたら練習用に回しています。
シーズンによりますけど、年間で5足くらい使っています。ゴレイロはシュートを受ける回数も多いですし、踏み込んだり、足を横に出したりシューズにかかる負担も大きい。劣化した状態のシューズを試合で使いたくないので、状態を見ながら入れ替えています。
──今回履いた「TIGORA OSA-1」は山口選手に合いそうですか?
最初の印象だけでなく、実際に履いてみてかなり合っていると感じています。最近、ここまでクッションが柔らかいと感じるシューズを履いていなかったので好感触でした。最初に触った時もミッドソールがかなり柔らかかったですし、実際に履いたら、しっかりと沈む感じもあったので、プレーする上で、その機能性を体感できました。
一方で、長く履き続けた時に、この柔らかさがどのように変化するのかは気になります。毎日履いていくなかで、スポンジのようにさらに柔らかくなるのか、それとも、適度な状態を保てるのか。そこは今後も履き続けないとわからない部分ですね。
ゴレイロでも安心できる耐久性と進化への期待

──ゴレイロ特有の摩耗がありそうですね。
ありますね。僕の場合は、つま先の縫い目やアッパーとソールのつなぎ目が剥がれてくることが多いと思います。足を横に出して滑る動きや、つま先を床に当てる動きが多いので、フィールドプレーヤーとは傷む場所が少し異なりますね。
新品のシューズでも、つま先の剥がれやすい部分には最初から瞬間接着剤を付けて補強することがあるほどですし、それくらい耐久性は気にしている部分です。
──「TIGORA OSA-1」も耐久性が気になる?
そうですね。約1週間履いた段階では問題ありませんでしたが、ゴレイロの動きを長期間繰り返した時に、つま先やソールがどのくらい耐久できるかは見てみたいです。
──他に気に入った部分はありますか?
かかとのゴムの巻き上げ方は特徴的ですけど、そこも良かったですね。プレー中に引っかかりすぎるような感覚はありませんでした。ゴレイロはシューズと床との相性も重要になります。床が滑るか、止まりすぎるかによって感覚も変わります。止まりすぎると怪我につながる可能性がありますし、滑りすぎてもプレーできないので、そのバランスは大切ですね。

──斜めに配置されたシューレースはいかがでしたか。
キックの際に蹴る面を広くする狙いがあるんですよね?サッカーシューズのような感覚がありました。僕はフィールドプレーヤーほどシュート面の広さを強く意識するわけではないですけど、履いた時の違和感を感じることはなかったですね。
ただ、ゴレイロとフィールドプレーヤーでは動き方が違うので、同じシューズでも評価するポイントは変わると思います。フィールドプレーヤーが踏み込む時の感覚と、ゴレイロが横に足を出したり、着地したりする時の感覚は別のものですからね。

──全体的なシューズへの評価を教えてください。
クッション性がありながら、普段と変わらない感覚でプレーできたところがすごく良かったです。膝への負担を考えると、ゴレイロにとってもメリットのあるシューズだと思います。
シューズのアッパー部分は比較的作りやすくても、ミッドソールの開発は難しいと聞きました。今回、このモデルができたことで、さらに良いものを作れる可能性もありそうです。
ゴレイロとフィールドプレーヤーで求めるものは少し違いますし、選手としては勝手な意見ですけど、さらに改良できる部分もあると思います。でも、クッション性の高いフットサルシューズという方向性は本当にいいですね。
日頃、体育館の床やスポーツコートなどでプレーする競技志向の選手、そのなかでもゴレイロにお勧めしたいですし、これからもっと進化していきそうな一足だと感じました。


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