1月12日、墨田区総合体育館にてＦリーグ2023-2024ディビジョン１ファイナルシーズン下位リーグ・第27節が行われ、フウガドールすみだとボルクバレット北九州が対戦。3-3で引き分けた。

持ち味の“弾丸プレス”でスタートからすみだを押し込む北九州だが、開始6分に失点。その後は互いに多くのチャンスを作りながらもこう着状態となると、第1ピリオド残り33秒、ゴール前での混戦からこぼれたルーズボールを田村龍太郎が突き刺し同点に。さらに29分に右サイドを突破したクシヤマ・イザケからのパスを大澤将士が足に当て逆転すると、33分に田村のゴールでリードを広げた。

しかし残り3分、相手のパワープレーの崩しから1点を返されると、残り22秒で追いつかれ3-3でタイムアップ。ファイナルシーズン初の勝利には届かなかった。

試合を終え、中嶋孝行監督と安嶋健至が記者会見に出席した。

悔しさをかみ締めて次のステップへ

●ボルクバレット北九州｜中嶋孝行監督

──試合を振り返って。

両チームにとって、いろんな思いのあるゲームだったと思います。この試合がＦリーグで最後となる選手がいるなかで、すみだが素晴らしい雰囲気をつくっていて、アウェイですがいい試合をしようと臨みました。勝ち点3を奪う姿を見せたい、と。これまでも、たくさんの声援に勇気づけられたり、応援してもらったりしながら1年間をやってきたので、最後になんとかしようと。ただ、相手のパワープレーの質が高く、最後に追いつかれてしまいました。

今シーズンは難しく、怪我で離脱するなどメンバーがなかなか組めないなかでも、いろんなところで補いながらの戦いでした。結果としては、こういうところで勝ち点を積み上げられないことが課題なので、しっかりと修正して、全日本選手権を迎えたいと思います。

──試合後の円陣ではどんなことを話したのでしょうか？

今シーズンはなかなか成果が出ず、悔しかったり、痛みを伴ったりすることが多かったです。シュート数で相手を上回っても勝てず、それでもそういった試合で選手が悔しい気持ちを表に出せるのはすごく大事なことです。その悔しさを糧にしてどれくらい成長できるか。リーグにおいて、チームとしての成果を出せていないですが、明らかな成長を少しずつ感じる試合が多かった。だから、かみ締めて次のステップにいこうと。仮にまた同じようなことがあっても、常にやり続けられることが大切です。僕も含めて悔しかった。ただそれも含めて次につなげていこうという話をしました。

──今日の3点目はパスをつないで決めた。ああいうゴールを決められるチームならもっと決められると感じた。なぜ今日はうまくできたのか。シーズンを通してやれなかった要因はどこにあるのでしょうか。

シュート数や決定打の比率をデータでまとめています。決定打とは、相手がいない状況で何本打てるかというか。シーズン後半戦は相手を上回っている試合が多かったです。そこで決められるかどうかは、タイミングやダイレクトで打つとか、選手のメンタルや技術もある。練習ではダイレクトで打てるシチュエーションを増やしています。そこで今日のようなシーンが増えています。成長とは、そういうものかなと。少しずつ増えていいます。数字も、結果も増えている。自分の子どもを見守る親のような感覚ですね。もっとチャンスで打てるような選手を増やし、それがチームの結果につながればいいなと思います。

リーグ前半で貯金をつくれなかったことが響いた

●ボルクバレット北九州｜安嶋健至

──試合を振り返って。

Ｆリーグの全日程を終えられて、関係者の皆様に感謝しています。今日は勝てば順位が一つ変わることと、田口元気選手、花嶋悠が引退という、お互いに気持ちの入ったゲームでした。ファイナルシーズンで1勝もできていなくて、最後に絶対に勝つという気持ちで臨みました。ファイナルシーズンで、なかなか得点が取れない課題があり、今日はすごく良かったです。

特に定位置攻撃では、4-0システムでボールを保持して崩す、3-1システムでは、個人で突破して崩す部分も出ました。目指したいフットサルができていたと思いました。そこはやっていて楽しかったです。

最後のすみだのパワープレーは、しながわシティ戦でも最後に追いついたり、すごくうまいですけど、悔しいの一言です。本当に難しいパスを通した星龍太選手と、中田秀人選手も簡単に決められないような2点でした。同点にされることが、今の自分たちの順位と結果だった。この結果を受け止めて全日本選手権に向けて立て直したいと思います。

ただ、本当に素晴らしいゲームになりました。

──27節を戦ってどんなシーズンでしたか？

前半で貯金をつくれなかったことが響きました。前半戦は選手の大幅な入れ替わりがあるなかで、ボルクのスタイル、メンタル面をなかなかうまく伝えられませんでした。それはキャプテングループやベテランに責任があると、個人的には思います。

ただ、少しずつ時間を経て「ボルクってどういうチーム」というのが全体に伝わって、ボルクらしさという、一体となって戦うことは、見ているみなさんにもシーズンを通して伝わったかなと思います。

そこをもう少し早く自分たちが伝えられたら前半戦で勝ち点をこぼさないで行いたかなと。1点差の試合が多かったので、そこが最後まで響いたと感じています。シーズンを通して怪我人が多かったなかで最後までまとまって戦えました。

ただこの順位は、不甲斐なく思っています。