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作成日時:2026.10.30
更新日時:2026.10.30

マチタイノススメ──「深津を褒めるオジサン」視点だった僕が、町田のホームで「極上のエンタメ」に出会った話【月刊ペスカドーラ】

PHOTO BYペスカドーラ町田

ペスカドーラ町田のオフィシャルライターを務める高田宗太郎氏による新連載「月刊ペスカドーラ」がスタート。

長年フットサルを追いかけてきた筆者が、独断と偏見を交えながら町田の魅力を掘り下げる。

第1回のテーマは「マチタイノススメ」。戦術や技術に目を凝らしてきた筆者が、町田市立総合体育館で出会った「極上のエンタメ」とは?

深津を褒めるオジサンの視点で見ていた

結論から言う。

Fリーグを見るなら現地観戦が一番だ。

とくに町田市立総合体育館、通称「マチタイ」で行われるペスカドーラ町田のホームゲームは、しばしば最高だったりする。

今季で言えば、前半の0-4を後半のパワープレーでひっくり返した第6節の長野戦、残り1秒で山中翔斗が同点ゴールを挙げた第13節のしながわ戦。あれらの瞬間の町体の熱狂は鳥肌ものだった。

昔はフットサルを、今はエンタメを見るために、私はアリーナに足を運んでいる。

というのは言い過ぎだが、Fリーグに対するエンターテインメントとしての期待値は、昔よりも遥かに高くなっている。

昔の私は、漫画『SLAM DUNK』の山王戦で深津を褒める観客のオジサンのような視点でFリーグを見ていた。

戦略と戦術の噛み合わせと駆け引き、研ぎ澄まされた技術の精度、鍛え抜かれた強さや速さ。もっと言えば、カウンターの起点となるインターセプトを誘発させた後ろの選手のポジショニングなどなど。

腕を組みながら燻し銀のポイントガードのゲーム作りを観察するオジサンよろしく、Fリーグを見ていた。

あんなにタオルマフラーは売れているのか

転機となったのは2年前。2024-25シーズンに町田のオフィシャルライターの仕事を請け負うようになってから、マチタイで見た2試合だ。

1つ目は、2024年11月4日に行われた第13節、首位バルドラール浦安と2位町田による首位攻防戦だ。

前半2点を先行した町田が後半早々の連続失点で追いつかれた後、クレパウジ・ヴィニシウスの連続得点で再びリードを2点差に広げた。

あのゴールを喜ぶ観客席の光景に驚かされた。サポーター席のみならず、スタンドやアリーナ席のファンも腰を浮かせ、タオルマフラーを力いっぱい握り締め、ブンブンと振り回していた。

あんなにタオルマフラーは売れているのか。

結果的に5-4で敗れた町田は優勝戦線から後退してしまうのだが、あの試合で最も鮮明に覚えているのは、タオルマフラーが踊る観客席のあの光景だ。

2つ目は、同年12月1日の第17節、ボルクバレット北九州戦。浦安、名古屋オーシャンズ、しながわシティを追う4位の町田が逆転優勝するためには、勝ち点3が必須の11位との対戦だった。

2点のビハインドを追う町田は、パワープレーから伊藤圭汰と野村啓介の連続ゴールで3-3に追いつく。残り時間1分22秒、ペスカドーラコールの声量が増した。叫び、よりも悲鳴に近いコールだったように思う。

あんなに大声を出すんだ。

あのコールを悲鳴のように感じたのは比喩ではなく、女性や子どもの高い声が混ざっていたからだ。結局、町田は勝ち越すことができず、優勝の可能性はほぼ潰えてしまうのだが、サポーター席と反対側のプレス席で浴びた音の圧力は今も忘れられない。

「洗練されたフットサルのゲーム」というよりも「極上のエンタメ」を見た。

この2試合で私はそう感じた。理由は、町田のサポーターとファンの存在があったからだろう。

長くチームを応援してきたコアなサポーターの熱量が、ゲームの展開に応じて着席するファンにじわじわと広がり、ゴールをきっかけにカタルシスが起こる。感情表現が控えめだと言われる日本人が、腰を浮かし、タオルを回し、大声で叫ぶ。アリーナが一体となり、自分もその一部となる。

実にエモーショナルな体験だった。

もちろん過去にもそういう体験はあったし、全国各地でそういう試合はあるんだと思う。ただ1つ、ここ数年町田のホームゲームを取材している私が確実に言えるのは、マチタイではそれを体験できる確率が高いということだ。

あるベテランカメラマンとの会話

先日の町田のホームゲームで、Fリーグ発足前からフットサルを撮影してきたベテランカメラマンと少し語り合った。

「今季の第6節の長野戦や第13節のしながわ戦は、会場の一体感が凄まじかった」「どうすればあの興奮を伝えることができるだろうか」「あの瞬間をカメラに収めるためにはどこでレンズを構えるべきだろうか」「もっと多くの人にFリーグの魅力を知ってもらいたい」「もっとこういうホームゲームが増えてほしい」

マチタイの盛り上がりは、他クラブの選手や関係者も認めるところで、実際、コロナ禍以降のホームゲーム入場者数は4年連続で1位である。

「優勝争いをしているからじゃないですか?」

とベテランカメラマンがポツリと言った。確かにそれもある。

先述の4試合の盛り上がりは、ゲームが進むにつれ町田が劣勢に追い込まれ、会場全体が「優勝するためには負けられない」という思いを共有し、それを打破しようとする過程で起こったものだ。

今季のファイナルシーズン最終節は、2027年1月31日、マチタイで行われる。まずは、そこで行われる試合が優勝を懸けたものであることを期待したい。

一方で、優勝争いに限らず、これから佳境に向かうFリーグでは上位リーグ進出や降格の懸かった試合が増えてくる。

アリーナが一体となる強烈なカタルシス。それを味わえるのは、あなたの愛するチームの今週末のホームゲームかもしれない。

Fリーグを見るなら現地観戦が一番だ。

<著者プロフィール>
高田宗太郎(たかだ・そうたろう)
フットサル専門誌『PIVO!』『フットサルナビ』の編集・執筆に携わり、Fリーグができる前から日本のフットサルを追いかけてきた。2024-25シーズンからはペスカドーラ町田のオフィシャルライターとして、マチタイに足を運ぶ日々。長年培ってきたフットサルへの愛情と、ちょっとマニアックな視点を武器に、町田のあれこれを独断と偏見で綴っていく。

ペスカドーラ町田|ホームゲーム情報

今週末はマチタイで東京ダービー!

10月31日(土)、ペスカドーラ町田はホームの町田市立総合体育館でフウガドールすみだと対戦する。キックオフは15時。試合前には両クラブのU-10、U-12による「未来のFリーガーCUP 2026」も開催される。

メットライフ生命Fリーグ2026-27ディヴィジョン1第17節
ペスカドーラ町田 vs フウガドールすみだ
日時:2026年10月31日(土)15:00キックオフ
会場:町田市立総合体育館
開場:12:00(ファンクラブ先行11:50)

▶試合日程・結果
▶チケット情報

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